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女子U17日本代表:第1次強化合宿レポート「世界を相手に実践しているお手本のような女子日本代表選手たちを目指して」牧野琉依選手
7月21日よりメキシコにて開幕する「FIBA U17女子ワールドカップ2024」へ向け、女子U17日本代表は3月18日〜20日の期間、第1次強化合宿を実施。10日前に行ったエントリーキャンプから早くも15人に絞られ、本格的な強化がはじまりました。最初に藪内夏美ヘッドコーチは「前提を揃える」と選手たちに伝え、世界と戦うための基準をセットします。

「バスケはお互いが戦い合うスポーツであり、練習してきたことが上手にできないように相手が妨害してきます。それを乗り越えるためにも、前提を軸にすることで今のプレーで良いか悪いか、トライしているかどうかを私をはじめとしたコーチ陣も、選手たち自身も判断をしやすくなります」

 これまでは目指すべきプレーを覚えるためにドリル練習で反復させてきましたが、相手がいる状況での実戦練習を初日から混ぜていくことで前提の理解度を深めています。相手の妨害を壊す戦いは女子日本代表を通じたキーワードであり、「こちらが想定する以上のプレーが出始めると、その練習の質がすごく高まります。次の練習では強度を上げたり、難解にしたりとステップアップにもつながります。壊すこと在りきの練習によって、選手からたくさんヒントをもらえています」と藪内ヘッドコーチは手応えを感じており、チーム力を高める3日間になりました。



 昨年のFIBA U16女子アジア選手権に出場し、優勝したオーストラリアとの決勝戦では3ポイントシュートを3/4本の高確率で決めたセンターの鈴木瑚香南選手(福岡大学附属若葉高校1年)。「ガード陣のドライブに合わせて3ポイントシュートを決めることができました。シュートの確率やスピードは世界でも通用すると思っています」と自信を持って、世界へ挑む準備に勤しんでいます。

 藪内ヘッドコーチだけではなく、三島正敬アシスタントコーチと稲垣愛アシスタントコーチも練習を受け持ち、これまでの経験を共有します。今合宿ではディフェンスを任された稲垣アシスタントコーチは、大きな世界の相手に勝つためにも一人で守るではなく、ベンチにいるメンバーも含めて声を出してプラスアルファの力を出さなければいけないことを強調します。鈴木選手は四日市メリノール学院中学出身であり、稲垣アシスタントコーチの下でプレーしてきました。

「練習から自分たちは小さいから機動力で勝っていくしかないと言われ、それはディフェンスでもオフェンスでも意識していました。京都精華学園中学には大きな留学生がいたので、一人で勝負しようとしてもなかなか勝てなかったです。でも、声を出してチーム力で勝負すると勝つこともできました。中学の頃から『声を出して勝つぞ』とは常に言ってくれています」

 声とともにインサイドの要として、「少しでも自分から相手にぶつかることで体力を削り、そこに日本の機動力あるダブルチームをして苦しめたいです。せめてゴール下までは入らせないディフェンスは、常に意識しています」と鈴木選手は昨年の経験にしっかりと上乗せしています。



 残念ながら昨年のFIBA U16女子アジア選手権では12人に残れなかった選手たちにとって、ふたたび世界に出るチャンスがやって来ました。牧野琉依選手(千葉経済大学附属高校2年)もその一人であり、「ゲームをコントロールすることよりも、得意なスピードを生かしてディフェンスリバウンドから速攻を出して得点につなげることが大事だと思っています。ディフェンスでも前からプレッシャーをかけて、少しでも相手を止められるようにすることを目標に掲げています」とアピールします。

 ガード陣が前からしつこくプレッシャーディフェンスするのは日本の武器であり、パリ2024オリンピックへの出場を決めたFIBAオリンピック世界最終予選での女子日本代表のプレーが大事な教材です。牧野選手にとっても女子日本代表のプレーは、「実際に世界を相手に実践しているお手本のような選手たちです。そこを目指して、少しでも近づけるようにがんばりたいです」と真似することが上達への第一歩です。

 お手本とするFIBAオリンピック世界最終予選のフルゲーム映像は全試合、FIBA公式YouTube でご覧いただけます。