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男子日本代表:アジア競技大会[準々決勝]日本 66-85 チャイニーズ・タイペイ「それぞれの特徴を日本代表にアジャストできるかが本当に見られているところ」赤穂雷太選手
 「第19回アジア競技大会(2022/杭州)」予選グループD 1位通過の男子日本代表は、2日空いて準々決勝に臨みました。昨日の準々決勝進出決定戦でカザフスタンに、83-62で勝利してきたチャイニーズ・タイペイと対戦。先日の韓国戦で17本を決めた3ポイントシュートがこの試合は5本に終わり、66-85で敗れました。この結果により5-8位決定戦へまわり、10月4日(水)21:00よりサウジアラビアと対戦します。

 試合後、コーリー・ゲインズ ヘッドコーチは「シュートが入らず(シュート成功率37%:26/72本)、ターンオーバーも多く(14本)、いつもどおりのバスケができなかったのが一番の敗因です」と率直に感想を述べます。予選のときとは異なり、「本当に内容の良くない試合をしてしまいました」と赤穂雷太選手(秋田ノーザンハピネッツ)も悔やみます。これまではチームルールを遂行できたことで3連勝し、予選1位突破を果たしました。しかし、チャイニーズ・タイペイ戦は「相手もしっかりスカウティングしてきて、シューター陣に対するディフェンスは全部スイッチされたことで、なかなか打たせてもらえませんでした」という3ポイントシュート成功率は16%(5/32本)に低迷。逆に、赤穂選手らがペイントアタックをして打開しようと積極的に攻めましたが、「フィニッシュのところやファウルをもらったあとのフリースローの確率が低かったです」と、課題が浮き彫りになります。


 対応してきた相手に対し、「自分ひとりで打開しようとせずに、例えば、誰にシュートを打たせるのか、誰が当たっているのか、誰のコールプレーなのかをしっかりコートに出てる5人が共通意識を持ってプレーすることが大切です」と赤穂選手が反省する点を突いてきたチャイニーズ・タイペイの巧さが上回った試合でした。

 3番手のポイントガードとしてコートに入った熊谷航選手(秋田ノーザンハピネッツ)は「立ち上がりにターンオーバーが多く、ペイントアタックはできていましたが、その後の判断が良くなかったです」と状況を見極めながら、まずは良いパスを出すことを心がけます。ポイントガード陣がマッチアップした#0 LIN Ting Chien選手に28点を許し、チャイニーズ・タイペイを勢いづけてしまいました。「ビッグマンのところをみんなで気をつけてゾーンディフェンスをしましたが、逆に相手にうまくワンパスから3ポイントシュートを決められてしまいました。後半は、0番のところをもう少し強く当たろうという指示があり、そのように守ってはいたのですが彼は非常に上手く、僕らも後手に回ってしまいました」と熊谷選手も手を焼きます。


 相手に流れを持っていかれそうになったときこそ、ディフェンスで粘って勝ってきたのがこのチームです。コーリーヘッドコーチも、「ディフェンスがベーシックなところであり、このチームの重要なポイントです。それができればファストブレイクにつながり、自分たちのスタイルにもつながります」というのが強みです。ベストゲームだった韓国戦の良いイメージを思い出しながら、残る2試合へ向けて切り替え、そしてステップアップしていかなければなりません。

 このチームの目的は経験を積むことであり、熊谷選手は「このような国際試合に出場できる機会は少なく、自分としてもチームとしてもすごく良い経験になっています。ここで気持ちを切らさずに、あと2戦あるのでチーム一丸となって勝ちにこだわっていきたいです」と結果を求めます。今大会でアピールできれば、今後のパリ2024オリンピックへ向けた合宿に招集される可能性があることをトム・ホーバスヘッドコーチは明言しています。一方、日本代表として国際大会へ臨んでいるからこそ、チーム力を高めて勝利を目指すことも欠かせません。個人とチーム、異なる2つのミッションに対し、赤穂選手が明確に応えてくれました。

「トムさんはこれまでのBリーグの試合を見て、それぞれの特徴も分かっていると思います。いかに、それを日本代表にアジャストできるかが本当に見られているところだと思うので、勘違いせずに自分の役割や強みをしっかり出すことが大事になります」