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FIBAワールドカップ2023:パリ2024オリンピックへ王手「言葉に力は宿ると常に信じています」渡邊雄太選手
 「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」で繰り広げられている17-32位決定戦では、アジア1位とアフリカ1位が決まります。つまり、この16チーム中2チームがパリ2024オリンピックへの出場権を獲得できます。男子日本代表は昨日、ベネズエラに86-77で逆転勝利を飾り、2大会連続となるオリンピック出場まであと1勝。王手をかけました。

 記者会見に登壇した渡邊雄太選手(フェニックス・サンズ)は、机の上に置かれたボックススコアに目を落とし、「うちがリードしてる時間はたったの4分24秒と書いてあるんですけど、本当に今日はしんどい試合で、大変な時間もたくさんありました」という言葉が、世界から1勝をつかむことの過酷さを物語っています。「最後に見せたプレーを次の試合は最初から出したい。それができればもっと楽に試合ができます」とトム・ホーバスヘッドコーチは話し、これまでも後半に素晴らしい内容のゲームを見せてきました。しかし、簡単に40分間遂行させてもらえないのもまた、世界大会です。



 これまで勝てなかった男子日本代表に対し、ホーバスヘッドコーチは「私の知っているバスケの知識や私の経験、それは現役時代とコーチの両方ですが、良いチームを作りたければ練習が必要です。簡単に1時間半練習しよう、5on5をしよう、といっても日本は勝てません。なぜならば、世界の相手は大きく、速く、強いからです。良いチームを作りたければ、毎日練習するだけです。そうすることで、みんなも少しずつ自信が上がります。信じる気持ちは自分の力だけではなく、チームメイトを信じることも大切です。そうすることで、みんなも目標を声に出してコミットできるようになりました」と一歩一歩確実に前へ進み、少しずつ叩き続けた結果として今大会で2勝を得ることができました。

 渡邊選手も「コーチは『Believe(信じる)』とずっと僕たちに対して言い続けています。本気でそれを思って口に出すことで、僕はそういう言葉に力は宿ると常に信じています。口先だけでは起こらないですが、しっかり自分たちが本当に信じて、それを口に出すことで表現できるものだと思います。今いるこの12人全員が、心の底から信じきれているからこそ、このようなゲーム展開でもみんながあきらめずに戦えるのだと思います。でも、今日はお客さんがどんなにしんどい時間帯でも、ずっと声を出してくれて自分たちに応援してくれていたので、それが何よりも1番大きかったです」とチームはもちろん、フィンランドに勝利したことできっとファンの皆さんも日本の力を信じてサポートしてくれたことでつかむことができた2勝目でした。



 ラストゲームの相手は、初出場のカーボベルデ共和国。FIBAランキング64位と日本の36位より下ですが、81-75でベネズエラを破った2戦目で早くも初勝利を挙げ、勢いに乗せてしまえば止まらない独特のリズムがあります。一番低くて185cmのカーボベルデ共和国であり、221cmのエディ・タバレス選手(レアル・マドリード)ら大きな選手も揃っています。日本は、ドイツやオーストラリアの高さや上手さを1次ラウンドで経験できた強みを生かし、FIBAワールドカップで最多となる3勝、そして目標をつかみとるだけです。

 日本の活躍だけではなく、今日からはじまるトップ16による2次ラウンドこそ世界の戦いをご堪能いただけます。沖縄ラウンドからフィリピン・マニラで開催される決勝トーナメントへ進出できるのは、たった2チーム。開幕戦で力の差を見せつけられたドイツと、ルカ・ドンチッチ選手(ダラス・マーベリックス)率いるスロベニアが3連勝で一歩リード。しかし、東京2020オリンピック銅メダリストのオーストラリアと、初出場ながら大健闘中のジョージアも2勝1敗と、その差はたった1ゲーム。17:30よりドイツ vs ジョージア、21:10より東京2020オリンピックの3位決定戦と同じカードとなるスロベニア vs オーストラリアが行われます。

■FIBA バスケットボールワールドカップ2023 試合日程
17-32位決定戦
・9月2日 (土) vs カーボベルデ共和国 (20:10 TIP OFF)
【テレビ放送】 テレビ朝日系(生中継)
【インターネット配信】DAZN、TVer(生配信)