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男子日本代表:FIBAワールドカップ直前合宿中「練習中のインテンシティが本当に高い」トム・ホーバスHC
 ラストピースを埋める渡邊雄太選手(フェニックス・サンズ)が加わった男子日本代表は、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」へ向けた練習が7月29日(土)よりはじまりました。「緊張感と楽しんでいる割合がすごく良いなと感じます。まだ選考の途中であり、本当に誰が選ばれても不思議ではない状況の中で、それぞれみんなが競争心と緊張感を持って練習しています。それとともに、みんながこの状況を楽しめています。僕もこれまでの5年間はNBAで同じ状況を過ごし、みんなの気持ちもすごく分かります。こういうときこそ楽しめる人がやっぱり強いと思うので、すごく良い練習ができています」という渡邊選手は、昨年のFIBAアジアカップ以来1年ぶりのチームの変化を実感します。その感想どおり、練習中は1on1〜5on5の対人練習でシュートを決めた選手は喜びの雄叫びを上げ、やられた選手は悔しそうな表情を見せていました。



 1勝1敗に終わった韓国遠征後、「選手たちの気持ちがさらに強くなり、自信も芽生えています。練習中のインテンシティが本当に高く、常にアグレッシブにプレーしています」とトム・ホーバスヘッドコーチもその変化を評価します。選手自身がこれから対戦するチームの名や選手の名を挙げ、具体的に世界の強度をイメージしながら取り組んでいます。そこに渡邊選手が加わり、「彼も負けず嫌いなので、最初から飛ばしているのが少し不安です。今はまだベストではなくても良いから、3週間をかけてステップアップしていこう、と話しました」と手綱を締めます。

 渡邊選手は「バスケしはじめると、どうしても止まらなくなってしまいます」と言い、これまで2日間の練習メニューはすべて参加していました。それほど仲間たちは仕上がっており、そこに追いつくためにも現在のコンディション状態を無視して夢中になるほど、良い雰囲気で練習が行われています。「昨年のFIBAアジアカップに一緒に出場し、トムさんのバスケットもそこで経験したのがすごく大きいです。今は彼の中で整理している部分はあるとは思いますが、徐々にというか、結構早い段階でチームにフィットしてくれると思います」とは富樫勇樹キャプテン(千葉ジェッツ)。「雄太が入ったことでチームの雰囲気もガラッと変わり、プレー面も含めて本当に良い刺激を与えてくれています」と歓迎します。



 韓国戦ではフィジカルの差が課題として浮き彫りとなり、「第1戦の翌日、弱かったシーンを映像で見せました。韓国よりも、ドイツのセンター陣は高さも強さも全然違います。もっともっとフィジカルなバスケットをしっかりしなければなりません」とホーバスヘッドコーチは発破をかけました。迎えた第2戦は、「川真田選手(紘也 / 滋賀レイクス)が素晴らしかったです。あれくらいのパフォーマンスはできると期待していましたが、今まで見たことがなかったのでビックリしました。みんなも負けられず、FIBAワールドカップメンバーに入りたいからこそ、その後は練習中からフィジカルなプレーが増えました」とホーバスヘッドコーチは述べ、一つずつ課題をクリアしながら前進しています。

 「昔からずっと日本は練習が緩いなと感じていました。でも、今はそんな心配をする必要がないです。むしろ、コンディショニング含めて全然仕上がってない中で、僕自身ががんばって合わせなければならないほど、本当にみんながピリピリして良い状態で練習しています。これが本来の練習の在り方であり、ここ数年ですごく変わってきたと感じています」と渡邊選手は話し、激しい競争が繰り広げられています。

 FIBAワールドカップ開幕戦となる8月25日のドイツ戦に合わせている渡邊選手は、8月2日(水)・4日(金)に開催される「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2023 太田大会」でのニュージーランド戦は出場しないことを言及。しかし、チームには帯同し、鼓舞しながら会場を盛り上げてくれることでしょう。

 ケガで出遅れていた河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)は、「100%で試合に出られる準備はできています。韓国戦も、自分としては準備していましたが、トムさんやトレーナーさんからもう一度経過を見ようとなり、その1週間で良い準備もできました。ケガ前と同じく100%でバスケットができる状態に戻っています」と元気な姿を見せ、アピールしています。

 15人から最終12人に絞るサバイバルレースも、1日1日タイムリミットが迫っています。今後の選考についてホーバスヘッドコーチは、「ニュージーランドとアンゴラとの試合で選考し、フランス戦とスロベニア戦は12人で臨みたいと考えています」。各ポジションにおいて、「50/50」と言うほど力は拮抗しており、残る期間で調子の良い選手を見極めていきます。