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男子U16日本代表:第2回エントリーキャンプ レポート「ディフェンスの状況を見て判断するのが今の課題」清水祥敬選手
 7月10日(月)〜12日(水)の期間、味の素ナショナルスポーツセンターにて男子U16日本代表は第2回エントリーキャンプを実施。4月にも行いましたが「中学時代の評価を元にしていたため、高校へ進学して成長が見られる選手がいないかをあらためて各ブロックへ打診し、追加招集しました」と高橋渉チームリーダーが話すとおり、今年9月17日(日)よりカタールにて開催が予定されている「FIBA U16アジア選手権」へ向け、男子U16日本代表候補選手を選考していきます。

 男子U19日本代表を、史上初の世界ベスト8へ導いたアレハンドロ・マルチネスヘッドコーチ。この男子U16日本代表もコンセプトは変わらず、「ドリブルよりもパスを使ってみんなでボールをシェアし、確率の高いシュートセレクションをすること」「ターンオーバーを少なくすること。2回連続ミスをすれば、それだけで4失点となるので絶対に同じミスは繰り返さない」「コミュニケーションが大事。チームにとって必要な声がけは積極的に出すこと」「リバウンドを獲るためにもボックスアウトは全員が徹底すること」であり、身長が低い分、さらに突き詰めていかなければなりません。



 中部大学第一高校へ進学した清水祥敬選手は、男子U19日本代表のアシスタントコーチを務める常田健監督の下で指導を受けています。「いつも言われているのは、3ポイントシュートだけではなく、インサイドにドライブをしていくことも必要であり、何よりもディフェンスの状況を見て判断するのが今の課題です」という清水選手は日頃の練習から日本代表のコンセプトを体現しています。「マルチネスヘッドコーチが求めていることをよく考えて実行するように」と常田監督からアドバイスを受けて臨んだ今回のキャンプ。清水選手は、「スペースの広さやポジションの位置関係を意識すること」をこのチームに求められており、遂行力を高めることに注力していました。

 福岡大学附属大濠高校の村上敬之丞選手にとって、高校の先輩たちが活躍したFIBA U19ワールドカップを目の当たりにし、「やっぱり一番印象に残ったのは湧川(颯斗)さんや岡田(大河)さんが、ゴール下へ走る川島(悠翔)さんやジェイコブス(晶)さんに裏パスを出してシュートを打つシーンが多かったです。自分も同じようなパスをセンター陣に出せるようにがんばりたいと思いました」と同じポイントガードのプレーが焼き付いています。しかし、このチームには彼らのような2mを越える選手はいません。「小さいですけど、体が強い選手もいるのでスクリーンをうまく使ったり、3ポイントシュートが得意な選手もいるので外から狙ったりしながら、インサイドが空いたところにセンターが飛び込んで行くプレーを考えています」と、すでに世界の戦いをイメージしていました。



 マルチネスヘッドコーチのコンセプトや細かい指摘はバスケ選手として当然のことであり、所属チームでも徹底していることでしょう。清水選手は「ボックスアウトが重要なことは、所属チームでも言われています。FIBA U16アジア選手権にも大きな選手は多くいると思うので、しっかりとボックスアウトしていきたいです。このチームの中では一番大きいですが、世界に出れば小さいのでリムランやウィングが走ってレイアップシュートを決めることが大事だと思います」と話します。同じく村上選手も、「ボックスアウトをしても高さでの勝負になれば、上からリバウンドを獲られてしまいます。でも、小さいからこそ下から突き上げる強さや素早いディフェンスをすることで、相手チームの大きな相手を翻弄していきたいです」と感じており、世界の高さを意識する必要はありますが、根本的に求められているプレーは変わりません。キャンプ中、マルチネスヘッドコーチは選手自身が考えてプレーを選択することも求めていました。

 このキャンプを通じて選手選考を行いますが、7月24日(月)から北海道にて開催される令和5年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)での活躍によっては、追加招集される可能性もまだ残っています。キャンプや今後の強化合宿に招集されたときだけではなく、日頃の練習や試合から持てる力を発揮することで全国各地に散らばる強化メンバーの目に止まる可能性があります。