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FIBA女子アジアカップ【予選ラウンド第2戦】日本95-57フィリピン:リズムに乗り切れずに反省点の残る2勝目
 「FIBA 女子アジアカップ2023」は2日目。「アメリカから帰化した195cmの選手(#10 Jack ANIMAM選手)がいます。自分たちがどれだけ守れるか、すごく大きなチャレンジになります。また、そこばかりにフォーカスしてしまうと、まわりの選手のシュートが当たってくることが絶対にあります」と馬瓜ステファニー選手が言うとおり、気を引き締めて臨んだフィリピン戦。結果は95-57で勝利し、2連勝を飾りました。

 16点を挙げる活躍をした赤穂ひまわり選手は試合後、「チーム的にはあまり良い試合ではなかったと思っています。相手も上手かったですし、乗り切れなかったところがありました」と最初に反省点が出ました。「シュートを打たれて決められてしまったディフェンスの反省と、オフェンスでも足が止まってしまって、流れがつかめなかった感じがありました」と続け、悔やまれる時間帯も多かったです。山本麻衣選手も同様に、「ディフェンスで相手のやりたいことをやらせてしまったことで、自分たちのリズムに持って行くことができなかったです」と振り返ります。

 恩塚亨ヘッドコーチはどの相手に対しても、「ワンプレーワンプレーの勝負にこだわること。特にディフェンスで先にポジションを取って有利に戦うことを強調してこの試合に臨みました。しかし、オフェンスのリズムが崩れたときに、それが後手に回ってしまいました」というのが乗り切れなかった原因です。

 38点差の勝利にも関わらず、納得がいかないのも高いレベルのライバルを想定しているからです。明日6月28日(水)18:30より予選ラウンド(グループフェーズ)最終戦であり、山場となるオーストラリアに挑みます。それだけに、今日の試合内容に選手たちは不安を感じていました。



 赤穂選手は、「オーストラリアは別次元というほど強いチームだと思っています。同じ強度のチームと対戦できていなかったことは、確かに少し不安はあります。しかし、これまでの試合でも良い時間帯はあり、そこで点差を大きく開いたり、シュートも気持ち良く決まっていました。この2試合は前半がともに良くなかったので、出だしからしっかりと自分たちのバスケを出し、さらに40分間遂行していかなければ勝てるような相手ではありません。最初から最後までがんばりたいです」と気持ちを切り替えます。山本選手も「日本は、まずディフェンスをしなければスタートしないチームです。明日はディフェンスからしっかり流れを作っていけるようにしたいです」とチームを引っ張ります。

 オーストラリアの印象について、恩塚ヘッドコーチは「ホームで負けられないという思いを感じますし、仕上がりも良いと思います。特にシュート力やパスの判断に関しては、高い能力があります。良いパスをさせない守り方をすることで、私たちの土俵になるのではないかと考えています」と勝機を見出し、これまでの成果を発揮していくだけです。

 FIBA主催大会のデビューを飾った星杏璃選手と朝比奈あずさ選手。星選手はチャイニーズ・タイペイ戦で5点・4アシスト・4リバウンド、フィリピン戦では8点・7アシスト・6リバウンドとしっかり数字を残し、そして伸ばしています。朝比奈選手も短いプレータイムの中でその役割を果たし、存在感を示しています。「臆せずにやり抜くことに関して、自分の持っている力をちゃんとコートに置いてこようという強い意志を感じます。それが彼女たちの活躍につながり、チームの勝利にも貢献してくれています」と恩塚ヘッドコーチも2人を評価。「お姉さんたちがしっかりとつないでくれているおかげで、思いっきり自分のプレーができています」と朝比奈選手は先輩たちに感謝します。



 コートに入るや否やシュートやリバウンドなどのスタッツを残し、印象にも残るプレーを披露。フィリピン戦では練習してきた3ポイントシュートも決めました。「チームのルールを遂行することを考え、今日であればスクリーンのところでしっかりと声を出して、その後に逆のミスマッチができると思っていたので、その中でしっかりと足を引かずに守れるようにすることは意識していました」と朝比奈選手が言うように、フィリピン戦はディフェンスでも魅せます。

「ワンプレーワンプレーが自分にとってはすごく貴重な経験になっており、たくさん吸収することがあります。だんだんとレベルアップしてきてるとは思うので、オーストラリアは強いと思いますが、その中でも自分ができることを徹底してできれば良いと思っています」

 最初は緊張もあったという朝比奈選手ですが、「いろんな世界の強い相手と試合ができるのはすごくワクワクするし、楽しんでできています」と明るい表情を見せます。星選手とともに2人の成長が日本を強くし、今後の負けられない戦いでも必要な戦力になります。

 明日のオーストラリアに勝てば、予選1位通過で準決勝進出が決定。同時に、FIBAオリンピック世界最終予選への切符を手にします。しかし、2位または3位になった場合、準決勝進出を懸けて別グループの2位または3位と対戦しなければならないため、なんとか勝利をつかんで1位通過を目指します。