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女子日本代表:第2次強化合宿レポート「相手を走らさせて嫌がることをし続けることが大事」馬瓜ステファニー選手
 女子日本代表チームは第2次強化合宿を終え、既報どおり候補選手は15名に絞られました。5月30日(火)より、これまでの練習の成果を試すカナダ遠征へ出発。昨年のFIBA女子ワールドカップではカナダ代表と対戦し、56-70で敗れました。「日本に対して一番妨害してきたカナダ代表であり、これまでの合宿の成果を測る良いチャンスです」と恩塚亨ヘッドコーチは期待し、現地6月2日(金)19:30よりセーブ・オン・フーズ・メモリアル・センター(ブリティッシュコロンビア州ビクトリア)にて強化試合を行います。帰国後には、デンマーク代表を迎える「三井不動産カップ2023」が6月16日(金)より高崎アリーナにて開幕します。

 「相手に妨害された中で自分たちの持っているものを出し切れるかが、私たちの課題です」という恩塚亨ヘッドコーチは、それを乗り越えるためにも「戦う」をテーマに強化してきました。今合宿を通して、「練習の雰囲気も選手たちの表情や声がけも、戦う姿勢が見られるようになりました。昨年のFIBA女子ワールドカップでは準備してきたことに対して相手が対応してくる戦いではなく、私たちがやろうとする手前から妨害してくる戦いに変わったと思っています。相手の妨害に対して、さらに攻略していくことを選手たち自身がしっかりと理解し、課題を持って乗り越えて行こうという姿勢が見られました」とレベルアップに努めています。

 「戦う」とは、「100%の力を常に出し続け、さらに高め続けること」「相手の妨害を乗り越えること」を恩塚ヘッドコーチは設定。特に後者は、「これまでも相手を妨害するディフェンスでは戦えていました。一方、オフェンスになると相手の妨害を乗り越えて戦う力が弱かったです」という点を強調します。

 今合宿より合流した馬瓜ステファニー選手は、先日までWNBA(アメリカ女子プロリーグ)ニューヨーク・リバティのロスター入りを目指して渡米。残念ながらその挑戦は叶いませんでしたが、女子日本代表候補選手として帰国後すぐに新たなトライアウトに挑んでいます。ニューヨークではアメリカ代表はもとより世界のトップ選手が集うスター軍団に加わり、「一緒にコミュニケーションを取ることで、日本とはまた違った考え方を吸収できました。(1〜3番と)慣れないポジションでもその選手たちのおかげでできたところもあり、自信になりました。全く通じないとは全然思わなかったです」という馬瓜選手は、短期間でも一回り大きくなっています。恩塚ヘッドコーチがテーマとする「戦う」意識は持ち合わせている選手ばかりだったニューヨークであり、「心構えとしては良い経験になりました」と馬瓜選手はその違いをこう述べます。



「海外の選手は、無理だろうと思っているところでも突っ込んできます。それはオフェンスファウルとかそういうことではなく、やっぱりそこで強くプレーすることによって相手にもダメージを与えられることが分かっています。そこに対して、どれだけダメージを受けずに戦えるかも大事だと思います。日本の場合は走ることが武器であり、そこで相手を走らさせて嫌がることをし続けることが大事です」

 これからはじまるカナダ遠征や三井不動産カップ、そしてオーストラリアや中国の選手も多くWNBAでプレーしているからこそ、FIBAアジアカップでは「逃した魚は大きいぞと思わせたいです」と自らを証明するためにもモチベーションは高いです。

 キャプテンの林咲希選手は「まだ国際試合ができていないので、自分たちがどれだけレベルアップできたかが分からない部分はあります。でも、今は課題が出ていることが良いことだと思っています。その課題を自分の中でクリアしていきながら、カナダ遠征や三井不動産カップでどこまでできるかを試していきたいです」と今合宿を総括します。



 ケガのために林選手は出場できませんでしたが、昨年のFIBA女子ワールドカップを踏まえ、「足が止まってしまうことも多かったので、オフェンスでもディフェンスでも常に動き続けることをコートの中で選手たちと共通認識し、そこが一番の自分たちがやるべきところです。日本の武器である足を止めずに走ること、さらに身体を当たられても止めないことを考えて練習してきました。ぜひ、そこを三井不動産カップでもファンの皆さんに見てもらえたら良いなと思います」と話し、昨年からレベルアップした女子日本代表にご期待ください(チケット好評発売中!)