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女子日本代表:第2次強化合宿中「みんなで息を合わせてずっと動き続けられるバスケ」宮崎早織選手
 女子日本代表チームは第1次強化合宿を終え、21名から17名に絞られました。5月23日(火)より味の素ナショナルトレーニングセンターにて、「FIBA女子アジアカップ」(6月23日開幕/オーストラリア・シドニー)へ向けた第2次強化合宿を行っています。練習の成果を試すべく、6月16日(金)〜18日(日)に高崎アリーナでデンマーク代表と対戦する「三井不動産カップ2023」を開催(チケット好評発売中)。アジア6連覇を目指す女子日本代表へ、ぜひ会場でエールを送ってください。

 第1次強化合宿では、今シーズンの強化方針である「ポジショニング力(機動力)」「強化システム」「カオスを制する戦い」の3本柱をインストール。第2次強化合宿ではそれらを「無意識にできるように」、恩塚亨ヘッドコーチは徹底します。昨年も同じく、相手が仕掛けることを想定しながら瞬間的に身体が反応することを求めていました。しかし、「やるべきことを広げすぎた反省点があります」と振り返ります。順当に強化を積み上げていたはずでしたが、FIBA女子ワールドカップでは小さな日本に対して相手が先に身体を当てて妨害され、日本のスタイルを発揮させてもらえませんでした。東京2020オリンピックのときと比較し、世界にアジャストされた反省点を踏まえ、「やるべきことを精査して、無意識でできる領域をしっかり取りに行けるように今はしています」とできることを一つずつ増やし、共通理解を深めています。

 対人練習では、「オーストラリアの当たりはそんなものではない」と恩塚ヘッドコーチが発破をかけ、とにかく身体をぶつけることを最優先します。国際試合になれば、「自分の好きなところにパスが出せないし、好きなようにも動けない」ことを意識づけていました。

 「これまで以上にフィジカル強くプレーしています」という宮崎早織選手(ENEOSサンフラワーズ)。FIBA女子ワールドカップを経て、「世界の強豪は、より日本のバスケをスカウティングしてきて、まず身体を当ててオフェンスを壊しに来ました。それに負けないように、私たちも準備しています。でも、当たり合いが多いので正直しんどいです」と吐露し、本気でぶつかり合っています。



 強化方針のひとつである「カオスを制する戦い」に対し、選手全員が声を出してコミュニケーションを図っています。宮崎選手は現状に対し、「分解練習ではみんなも理解できていますが、5on5でカオスの状態になったときでも、その動きを徹底し続けることを恩塚ヘッドコーチは求めています。しかし、疲れてくるとどこへ動けば良いか分からなくなります。疲れたときや、競って状況で集中しなければいけないときこそ考えて、みんなで息を合わせてずっと動き続けられるバスケができれば、本当に海外の選手は止められなくなるのではないかと思っています」と期待しており、三井不動産カップが楽しみです。9位と悔しい結果に終わったFIBA女子ワールドカップでしたが、宮崎選手自身は手応えを感じています。

「東京オリンピックのときは高さやスピード、フィジカルで壊され、プレータイムも限られていたので怖さや不安がありました。その経験を経て、FIBA女子ワールドカップでは恩塚ヘッドコーチがプレータイムを与えてくれたこともあり、苦手だったミスマッチのところをペイントアタックできたり、スクリーンを使ってスピードに乗ってフィニッシュまで行けたり、国内で通用する自分のスタイルを海外でも出せたと思っています」

 赤穂ひまわり選手(デンソー アイリス)は「世界と戦えないことはないと思っていますし、『日本のバスケはそんな弱くないぞ』というところを見せていきたいです」とパリ2024オリンピックで金メダルを目指す気持ちは変わりません。FIBA女子ワールドカップでは「準備してきたものを出せずに終わってしまった」と感じており、対策してくる相手を乗り越えていくため練習に励んでいます。



 無意識にプレーできるようにするためには、「時間が必要ですが、大会まで時間があるわけでもありません。無意識にできるように意識的にがんばらなければなりません」と赤穂選手にとってもチャレンジです。しかし、少しずつ形になっているとも感じており、その精度は高まっています。練習中は、恩塚ヘッドコーチの「ナイス」という声も多く聞かれました。

「相手があるバスケは、自分のスキルを発揮することが保証されていないスポーツです。では、何が保証されているかと言えば、相手を妨害する権利だけです。だから相手をいかに妨害するか、逆に相手が妨害してくることに対して、いかに解決策を見つけ続けていくかが勝負のポイントになります。その解決策に対し、選手自身が考えてプレーできたときに出たのがナイスという声の本質です」

 2次強化合宿は5月30日(火)まで続き、さらなる選手選考が行った後、カナダ遠征へと向かいます。