3×3女子日本代表:第2次強化合宿レポート「全員がたくさんの引き出しを持ってる必要があります」中田珠未選手〜FIBA3x3WSへ出発〜
3×3女子日本代表は5月2日(火)〜4日(木)の期間、味の素ナショナルスポーツセンターにて育成・強化・選手選考をひとまとめに行う第2次強化合宿を実施。前回合宿では、3×3ならではのルールや展開を把握するため、さまざまなシチュエーションに合わせた3分や5分ゲームだけでした。しかし、今合宿ではフルゲームを行い、今シーズンよりはじめて3×3にチャレンジするWリーグで活躍する選手たちにとって、はじめての経験となります。
これまでも5人制の40分間よりも攻守の切り替えが早く、3人しかいないことでより動かなければならない「3×3の方がきつい」という感想が多く聞かれました。しかし、そこはトップアスリート。少しずつ順応しながら、それぞれの持ち味を発揮しはじめています。
第2次強化合宿を終え、中田珠未選手 (ENEOSサンフラワーズ)、窪田真優選手 (日立ハイテク クーガーズ)、高橋未来選手 (デンソー アイリス)、三田七南選手 (ENEOSサンフラワーズ)の4人は3×3女子日本代表として、5月6日・7日に開催される「FIBA 3×3 Women’s Series Wuhan Stop 2023」(以下3x3WS)へ向け、日本を発ちました。
昨シーズンはドイツへ渡り、桂葵選手と現地の選手とともに3x3WSへ参戦した前田有香選手 (BEEFMAN/ZOOS)。今大会の特徴についてこう説明してくれました。
「それぞれが国内で練習を積み重ねて3x3WSに出てくるので、チームとして完成されています。世界の強豪が集まる大会なので、基本的には大きな選手ばかり。さらに3×3の理解度が高く、それぞれがいろんなポジションをできる選手が揃っています。世界に挑む場所であり、得られることも多く、何よりもすごく楽しいところ。3×3をプレーする選手には、ぜひ目指して欲しいです」
前田選手が所属するZOOSも、最初はなかなか勝つことができませんでした。「混成チームでしたので、私が目指す3×3のスタイルを伝えて、お互いにより良くなるために話し合った上で、私が練習を組み立てていきました。それが試合で出せるようになったことで、うまく回ったと感じています。4人で常に行動を共にしていると、一緒に勝ちたいという思いが強く芽生えてきました。3×3はチーム力が本当に大事です」と前田選手が言うように、コミュニケーションやチームケミストリーが重要です。
3x3WSへ臨む中田選手は「このメンバーの中では経験はある方ですが、まだ2大会しか出場経験がなく(昨年のFIBA 3×3 ワールドカップとFIBA 3×3 アジアカップ)、ファウルの使い方やタイムアウトを取るタイミングなどが難しいです」と不安を抱いていました。試合中はコーチがおらず、コートの外から指示を出すことも禁じられています。選手自身がゲームマネジメントを行わなければならないため、「何を選択しても正解もないし、間違いもない」と中田選手がいうのが3×3の最大の特徴です。
正解がないからこそ、「あっという間に10分間が過ぎてしまうため、全員がたくさんの引き出しを持ってる必要があります」と中田選手は言います。その引き出しについて、前田選手は「自分たちで考えて、組み立てるのは大前提ですが、やっぱり引き出しが少ないと考えるにも考えようがありません。まだまだ個人技任せになっているところがあり、もっとチームで攻めることで簡単に得点できたり、タフな戦いをしつつも要領よく得点したりできると思います」と客観的に見ながらアドバイスを送っていました。
窪田選手も、経験豊富な前田選手や伊集南コーチへ積極的に声をかけ、「5人制とは違う短い10分間の中で、時間の使い方を一番学ぶ合宿になりました」と言います。残り時間とともにファウル数を把握しながら、「どのプレーを選択すれば良いかを細かく指導してくださり、それは大会でも生かされると思っています」と吸収します。3x3WSの対戦相手はこの競技を熟知しているからこそ、「これまでは通用していた個人のスキルだけでは戦えない部分が出てくると思います。能力だけで勝とうとせず、しっかり戦術的なところで戦っていきたいです」と話しており、さらにレベルアップした戦いが求められます。
Wリーグがオフになるとともに、3×3の強化にも励んできた中田選手であり、「少しずつこの競技が分かって来たからこその難しさがあります」と言います。昨年の大会には、東京2020オリンピックに出場した馬瓜ステファニー選手と山本麻衣選手(ともにトヨタ自動車アンテロープス)がおり、ゲームの中で瞬時に判断してくれました。しかし今回は、その立場も中田選手自身が担わなければなりません。十分に3×3を理解できていないと感じており、そのための練習時間を費やすこともできていないことで、「その判断をする勇気がない、自信がないところは正直あります。以前よりもそれを考えるだけの知識があるからこそ、迷ってしまうんだと思います」と吐露します。しかし、Wリーグを制したENEOSの一員であり、5人制で培ってきたことを3×3に生かして、この状況を打破していきます。
「5人制の40分の中でも良い時間帯があれば、悪い時間帯もあります。その良いときが10分間で出る可能性もあります。もし、逆の結果になっても致し方ないですし、次に同じようにしないためにどうするかを考えるしかないです。考え込みすぎず前向きに、若い選手も多いので、気持ちよくプレーできる環境を自分が率先して作れたら良いと思っています。思いっきりみんなが戦ってくれれば、少しでも良い時間帯が来ると思っています。もちろん勝つことにフォーカスして、少しでも良いチームになってしっかり戦っていきたいです」
3×3女子日本代表(世界ランキング7位)の開幕戦は、世界ランキング2位の強豪ドイツ。続いてモンゴル(同11位)、オーストラリア(同41位)と対戦し、まずは上位3チームに残り、グループステージ突破を目指します。
これまでも5人制の40分間よりも攻守の切り替えが早く、3人しかいないことでより動かなければならない「3×3の方がきつい」という感想が多く聞かれました。しかし、そこはトップアスリート。少しずつ順応しながら、それぞれの持ち味を発揮しはじめています。
第2次強化合宿を終え、中田珠未選手 (ENEOSサンフラワーズ)、窪田真優選手 (日立ハイテク クーガーズ)、高橋未来選手 (デンソー アイリス)、三田七南選手 (ENEOSサンフラワーズ)の4人は3×3女子日本代表として、5月6日・7日に開催される「FIBA 3×3 Women’s Series Wuhan Stop 2023」(以下3x3WS)へ向け、日本を発ちました。
昨シーズンはドイツへ渡り、桂葵選手と現地の選手とともに3x3WSへ参戦した前田有香選手 (BEEFMAN/ZOOS)。今大会の特徴についてこう説明してくれました。
「それぞれが国内で練習を積み重ねて3x3WSに出てくるので、チームとして完成されています。世界の強豪が集まる大会なので、基本的には大きな選手ばかり。さらに3×3の理解度が高く、それぞれがいろんなポジションをできる選手が揃っています。世界に挑む場所であり、得られることも多く、何よりもすごく楽しいところ。3×3をプレーする選手には、ぜひ目指して欲しいです」
前田選手が所属するZOOSも、最初はなかなか勝つことができませんでした。「混成チームでしたので、私が目指す3×3のスタイルを伝えて、お互いにより良くなるために話し合った上で、私が練習を組み立てていきました。それが試合で出せるようになったことで、うまく回ったと感じています。4人で常に行動を共にしていると、一緒に勝ちたいという思いが強く芽生えてきました。3×3はチーム力が本当に大事です」と前田選手が言うように、コミュニケーションやチームケミストリーが重要です。
3x3WSへ臨む中田選手は「このメンバーの中では経験はある方ですが、まだ2大会しか出場経験がなく(昨年のFIBA 3×3 ワールドカップとFIBA 3×3 アジアカップ)、ファウルの使い方やタイムアウトを取るタイミングなどが難しいです」と不安を抱いていました。試合中はコーチがおらず、コートの外から指示を出すことも禁じられています。選手自身がゲームマネジメントを行わなければならないため、「何を選択しても正解もないし、間違いもない」と中田選手がいうのが3×3の最大の特徴です。
正解がないからこそ、「あっという間に10分間が過ぎてしまうため、全員がたくさんの引き出しを持ってる必要があります」と中田選手は言います。その引き出しについて、前田選手は「自分たちで考えて、組み立てるのは大前提ですが、やっぱり引き出しが少ないと考えるにも考えようがありません。まだまだ個人技任せになっているところがあり、もっとチームで攻めることで簡単に得点できたり、タフな戦いをしつつも要領よく得点したりできると思います」と客観的に見ながらアドバイスを送っていました。
窪田選手も、経験豊富な前田選手や伊集南コーチへ積極的に声をかけ、「5人制とは違う短い10分間の中で、時間の使い方を一番学ぶ合宿になりました」と言います。残り時間とともにファウル数を把握しながら、「どのプレーを選択すれば良いかを細かく指導してくださり、それは大会でも生かされると思っています」と吸収します。3x3WSの対戦相手はこの競技を熟知しているからこそ、「これまでは通用していた個人のスキルだけでは戦えない部分が出てくると思います。能力だけで勝とうとせず、しっかり戦術的なところで戦っていきたいです」と話しており、さらにレベルアップした戦いが求められます。
Wリーグがオフになるとともに、3×3の強化にも励んできた中田選手であり、「少しずつこの競技が分かって来たからこその難しさがあります」と言います。昨年の大会には、東京2020オリンピックに出場した馬瓜ステファニー選手と山本麻衣選手(ともにトヨタ自動車アンテロープス)がおり、ゲームの中で瞬時に判断してくれました。しかし今回は、その立場も中田選手自身が担わなければなりません。十分に3×3を理解できていないと感じており、そのための練習時間を費やすこともできていないことで、「その判断をする勇気がない、自信がないところは正直あります。以前よりもそれを考えるだけの知識があるからこそ、迷ってしまうんだと思います」と吐露します。しかし、Wリーグを制したENEOSの一員であり、5人制で培ってきたことを3×3に生かして、この状況を打破していきます。
「5人制の40分の中でも良い時間帯があれば、悪い時間帯もあります。その良いときが10分間で出る可能性もあります。もし、逆の結果になっても致し方ないですし、次に同じようにしないためにどうするかを考えるしかないです。考え込みすぎず前向きに、若い選手も多いので、気持ちよくプレーできる環境を自分が率先して作れたら良いと思っています。思いっきりみんなが戦ってくれれば、少しでも良い時間帯が来ると思っています。もちろん勝つことにフォーカスして、少しでも良いチームになってしっかり戦っていきたいです」
3×3女子日本代表(世界ランキング7位)の開幕戦は、世界ランキング2位の強豪ドイツ。続いてモンゴル(同11位)、オーストラリア(同41位)と対戦し、まずは上位3チームに残り、グループステージ突破を目指します。