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女子日本代表:ディベロップメントキャンプ レポート「吸収することがいっぱいある濃い1日」星杏璃選手
2023年度女子日本代表チームは若手選手を中心とした14名を招集し、4月23日(日)〜30日(日)の期間、味の素ナショナルスポーツセンターにてディベロップメントキャンプを実施。アジリティや最適解など女子日本代表のコンセプトを習得し、今後の候補選手入りを目指します。

 今シーズンのWリーグで優勝したENEOSサンフラワーズから星杏璃選手が、はじめてキャンプに参加。少し不安がありつつも、先発で活躍したきたことを自信とし、「自分の持ち味を出せたらいいなという気持ちで臨んでいます。他のチームの上手な方たちと一緒にプレーすることがすごく楽しいし、練習はきついんですけど、新しい動きなど吸収することがいっぱいあります。濃い1日だな、と毎日思っています」と感想を述べ、充実した日々を送っていました。

 これまでも多くの女子日本代表を輩出してきた名門ENEOS。その先輩たちの姿を見てきた星選手は、「今回練習に参加したことで何かがつながった感じがしています」と話し、間接的に日本代表のスタイルを教わっていたことと合致します。「日本代表のレベルの高いプレーとENEOSでのプレーがつながった感があって、練習していても楽しいです」と続け、存分に持ち味を発揮していました。



 Wリーグの選手だけではなく、大学生から4人がこのキャンプに参加。朝比奈あずさ選手(筑波大学2年)は、「自分の持ち味である合わせのプレーを意識しながら取り組んでいます」と言い、昨年も女子日本代表候補に選出された経験を生かします。昨年は「三井不動産カップ」にも出場した朝比奈選手ですが、「本当の国際大会はまだ経験したことがないので、その舞台に立てるようにがんばりたいです」と抱負を述べ、今年行われるFIBA女子アジアカップやアジア競技大会でのメンバー入りに性分を合わせます。

 カリフォルニア州立大学フラートン校で活躍する北原富士華選手も、はじめて女子日本代表に触れる機会となりました。アメリカNCAA1部に所属する同校では先発で起用され、平均14.5点と活躍。20点を超える試合も多く、得点能力が高いポイントガードです。しかし、はじめて一緒にプレー選手ばかりの環境は「少し難しく、アメリカとは全く違うスタイルのシステムを覚えるのが大変です」というのも当然です。通訳を介してコミュニケーションを取りながら、日増しに「日本代表のシステムにも慣れ、自分の強みを出せるようになってきました」と本来の姿を見せはじめます。

 女子日本代表のスタイルから「たくさん学ぶことがあり、それをアメリカに持って帰ることで、もっと自分自身も良いプレーヤーになっていけると思っています。状況判断をしてゴールに向かって行くタイミングや、オフボールでどうアクティブに動くかということを学べています」と北原選手はこの経験を成長の糧とします。キャンプ中は横山智奈美選手や梅木千夏選手(ともにトヨタ自動車アンテロープス)らが積極的に声をかけ、サポートしてくれたことにも感謝していました。



 その横山選手は、女子U19日本代表合宿から休むことなくこのキャンプに参加。「すごく頭を使ってプレーしなければならないです」という高いレベルを実感。最年少18歳の横山選手にとって、さまざまな世代の選手と一緒に練習できることをうれしく思うとともに、「いろんな人のプレーを見てすごく学ぶことが多いです。自分の強みであるドライブは、この中でも戦えているのかなという手応えはあります」と自信を見せます。

 桜花学園のメンバーとして最後のウインターカップは3回戦敗退、その後に進んだトヨタ自動車はファイナルで敗れ、悔しい結果が続きました。「でも、アーリーエントリーでその舞台を経験させてもらったのは自分だけです。そこに対して劣っている部分はなく、やっぱりあの舞台を経験したからこそ、自分がやるべきことも分かりました。相手はドライブを絶対に警戒してくるので、3ポイントシュートの精度やスペースを見つけてジャンプシュートを打つことをもっともっと練習していきたいです」とすべての経験をポジティブに捉える横山選手にとって、このキャンプからも多くの刺激を受けていました。

 憧れていた女子日本代表の練習に参加したことで、夢から目標に変わった選手たち。それぞれの特徴を生かしたことで課題も浮き彫りとなり、女子日本代表になるために必要なことが明確になったはずです。まもなくはじまる女子日本代表合宿へ、この中から一人でも多く選ばれることでますますチームは活性化していきます。