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男子U16日本代表:エントリーキャンプ レポート「声の部分では誰よりもしっかり出せるようにしよう」若野瑛太選手
2023年度男子U16日本代表は4月23日(日)〜26日(水)の期間、福島県・ならはスカイアリーナにて候補選手の選考を行うエントリーキャンプを実施。今年9月17日よりカタールで開催が予定されている「FIBA U16アジア選手権大会2023」へ向け、はじめての国際大会に必要な技術や心構えを伝える機会となりました。

 アレハンドロ・マルチネスヘッドコーチは、「国際大会と普段の国内での試合は全然違います。それは日本だけではなく、中国やフィリピンなど他の国の選手にとっても同じことです」と話し、大きな相手をイメージしながら意識を変えるところから着手します。年々、個人技に長けた選手が多くなっていますが、「ドリブルをする必要があるのは2つのケースのみ。ひとつはスペースを確保するとき、もうひとつはシュートに行くとき」と言います。マルチネスヘッドコーチはドリブル音ではなく、「パスの音がたくさん聞こえる」スタイルを目指しています。「ボールはみんなのもの。しっかりシェアして、効率良くノーマークを作ってシュートを狙う」ことを求めていました。

 マルチネスヘッドコーチにとっては、2年目の男子U16日本代表活動となります。昨年はアジアで準優勝し、FIBA U17ワールドカップ出場。川島悠翔選手と渡辺伶音選手の2メートル台が揃い、他にも長身選手がいた昨年と比較し、「今回は平均身長186cm程度で全く違います。ディフェンスリバウンドをもっと強くし、もっと速い展開のプレーが必要です」と述べ、コンセプトを変えながらチーム作りを行っていきます。

 スピードやパスとともに、一つひとつのプレー精度を高めて行かなければなりません。そのためにも仲間を知り、自分の意志を伝えるコミュニケーションが大切です。1ヶ月前に行われたB.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIPでMVPを受賞した若野瑛太選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズU18)は、「僕の身長(185cm)がこの中では平均であり、技術もみんなより飛ぶ抜けているわけでもありません」と招集されたメンバーと自分を比較します。その中で通用する部分を見つけたことで、目立つ存在となっていました。


「どこでみんなよりも上に行けるかと考えたときに、やっぱりコミュニケーションや声を出す部分かなと思いました。今回のキャンプを通して、声の部分では誰よりもしっかり出せるようにしようと意識しています」

 若野選手をはじめ、早生まれの高校2年生などリーダーシップを発揮する選手たち。なかなか声を出すことにも勇気がいるはじめてのキャンプですが、このチームは最初から元気に練習を行っていました。ユースチームに所属する若野選手は、トップチームである名古屋ダイヤモンドドルフィンズの練習に参加する機会もありました。「その時に一番すごいなと思ったのが、やっぱり声の部分でした。練習中もずっと声を出し続けていたところに感心しました」という経験をこのキャンプでも発揮。「斎藤拓実選手は常に全力で練習し、いろんな選手に対してもコミュニケーションを取っていました。須田侑太郎選手もとても熱い感じで、ずっと声をかけて盛り上げていました」という男子日本代表の先輩たちの振る舞いをしっかりと継承しています。

 現在中学生の14歳の選手も4人選考されました。マルチネスヘッドコーチがJBAの選手育成キャンプに参加し、男子U16日本代表へ向けた発掘も同時に行っています。高橋歩路選手(横手市立十文字中学校)もその一人であり、得意とする3ポイントシュートでアピール。所属チームの中では大きな184cmの高橋選手は、「シューターではないですが、ここではポジションを上げることができ、スモールフォワードやシューティングガードとしてもしっかり対応できています。自分なりに良いところを出せていると思います」とのびのびプレーしていました。


 普段よりも徹底しなければならない点として、「オフェンスではスペーシングのところを細かく指導されました。ディフェンスではポジションに関係なく、リバウンドやボックスアウトを徹底すること。基本的なことですが、そこが大事になります。まだ慣れていないところもありますが、違う環境でもしっかりと対応できています」という高橋選手は国際大会仕様に取り組んでいます。

 今回のキャンプに参加した28人から15〜6人を絞り、男子U16日本代表候補選手の選考を行っていきます。