NEWS

女子U16日本代表:第1次強化合宿レポート「場面場面で違う役割ができるのがこのチームの持ち味」金澤杏選手
先月のエントリーキャンプから16名の候補選手を選考し、2023年度女子U16日本代表チームは4月17日(月)〜19日(水)の期間、第1次強化合宿を実施。国際大会で重要な日本のスピードを生かしたオフェンスをテーマに、シンプルかつ運動量の多い強化に努めました。

 合宿中は日本が目指すスタイルを分解し、その動きを確認する練習は頭も使います。「やっぱり考え出すと体が止まり、足も止まってしまいます」という藪内夏美ヘッドコーチ。その動きを整理するために、昨年のFIBA U16女子アジア選手権などの映像を見せて、視覚的に理解度を高めます。

 エントリーキャンプでは中学生だった多くの選手たちは、新年度を迎えて高校へ進学しました。昨年の女子U16日本代表選手とチームメイトとなったケースもあり、「実際に一緒に練習している先輩たちが、国際大会では苦労していたり、通用していなかったり、逆に通用したプレーを見せることで一番イメージがしやすいと思います」と藪内ヘッドコーチは期待し、映像を活用します。



 桜花学園高校へ進学した金澤杏選手は、「昨年の先輩たちのようにハードなディフェンスからスピードのあるブレイクを出すことや、3ポイントシュートは今回のメンバーもみんなができるので、そこはマネしながら継続していきたいです」と吸収していました。

 平均身長172.8cm、候補選手16名中13名が170cm台であり、選手の身長差があまりありません。シューティングガードの金澤選手ですが、「みんながリバウンドに飛び込んだり、場面場面で違う役割ができるのがこのチームの持ち味だと思います」と全員がオールラウンダーを目指します。



 センターの鈴木瑚香南選手(福岡大学附属若葉高校1年)も、積極的に3ポイントシュートを狙っていました。国内の大会でも、大きな留学生とマッチアップする機会があります。「とにかく走ることや大きな選手に対するディフェンスが持ち味」という鈴木選手は、スピードのミスマッチを意識します。「3ポイントシュートを狙いながらドライブへ行ったり、相手のカバーが出てきたら外の選手にパスをしてシュートを打つこともできます」と国際大会をイメージしながら練習に取り組んでいました。

 プレーの技術や戦術とともに、藪内ヘッドコーチは「思っていることを言語化し、しっかりと組み立てて説明できるような訓練も同時に行っています」。練習期間が短い中でチームを作るためには、コミュニケーションが大事です。「自分の意見を発言し、分からないことがあればしっかり質問できる」力を養う機会にしています。「しっかりとした言語で説明できるように、毎回プレーの振り返りや目標を選手には聞いています」と日常の会話から選手たちが発言できるように促します。瞬時に状況判断しなければならないバスケットボールではもちろんですが、学校生活においても大事なスキルです。

 今年7月に開催予定の「FIBA U16女子アジア選手権」(ヨルダン・アンマン)へ向け、今後も継続的な強化を進めていきます。