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3×3男子日本代表:FIBA 3×3 Asia Cup 2023 日本代表候補選手選考合宿レポート「パリ2024オリンピックに出場してメダルを獲る最大の目標に向けて環境を整えてくれたクラブに感謝」落合知也選手
 3月29日よりシンガポールにて開幕する「FIBA 3×3 Asia Cup 2023」へ向けた選考とともに、パリ2024オリンピック出場権獲得を目指す2022年度3×3バスケットボール男子日本代表チームは3月15日(水)〜17日(金)の期間、味の素ナショナルスポーツセンターにて強化合宿を実施しました。

 これまでははじめて経験する選手もおり、ルール説明からスタートしていたのが3×3日本代表合宿です。しかし、今回はBリーグ選手も学生も全員が大会への出場経験があり、最初から3×3の練習に時間を割くことができたのが大きな進歩です。東京2020オリンピックに出場した落合知也選手(ALPHAS.EXE)も、「最初から3×3の理解度が高く、日本代表が目指すバスケに対しても高いレベルで練習をはじめられました。本当に日本の3×3が前進していると感じます」と言うほどです。

 約1週間前、Bリーグの自由交渉選手リストに公示された落合選手は「今、越谷アルファーズはB1昇格へ向けてすごく良い位置にいます。その中で、自分が3×3の活動のために抜けてしまえば、チームに迷惑をかけてしまう思いがありました。また、この1年間はパリ2024オリンピックに挑戦することに専念した方が良いのではないか、とチームも理解してくれました」と話すとおり、3×3に専念する覚悟を決めました。

「一番目指さなくてはいけないのが、パリ2024オリンピックに出場してメダルを獲ることです。最大の目標であり夢でもあるので、そこに向けて環境を整えてもらったクラブには、本当に感謝しています」


 パリ2024オリンピックへ出場できるのは8チーム。今年11月1日の時点で、国別世界ランキング上位3チームがまず出場権を与えられます。現在13位の男子日本にとっては、その時点で出場権を得るのは厳しいのが現状です。落合選手もこれまでの経験値をもとに、「オリンピック予選に出場し、そこで出場権を勝ち獲るのが我々の一番現実的な目標だと思っています。前回大会を踏まえれば、来年3〜4月にその予選が行われると思うので、1年後に照準を合わせてどれだけ世界と戦えるようになるかどうかを見据えています。今回選ばれたメンバーが中心になると思うので、そこへ向けた強化が鍵になります」と話し、今合宿中も積極的にこれまでの経験を還元していました。

 同じく小澤崚選手(TSUKUBA ALBORADA・SAITAMA ALPHAS)も、積極的にコミュニケーションを取っていた一人です。「3×3経験は豊富な方だと思っているので、それをみんなに共有することでチームの底上げになると思い、戦術など細かいところまで声をかけていました」と言い、昨年は改田拓哉選手(TSUKUBA ALBORADA)、益子拓己選手(拓殖大学4年・京都ハンナリーズ)、江原信太朗選手(東海大学3年)とともにFIBA 3×3 U23ワールドカップへ出場。先月行われた「第8回 3×3日本選手権大会」では準優勝し、実績を残しています。


 国内大会でも外国籍選手が増えており、「第8回 3×3日本選手権大会」決勝ではセルビア選手を擁するUTSUNOMIYA BREXに惜しくも2点差で敗れました。小澤選手らTSUKUBA ALBORADAは、日本人選手のみで構成されたチームですが、「外国籍選手が増えたことで、まずそのチームの日本人選手のレベルを上げてくれています。たとえ外国籍選手がいなくても戦えることを、日本選手権で示せたのではないかと思っています」と日本のレベルアップにつながっています。今年度の活躍により、現在国内ランキング3位の小澤選手は、「パリ2024オリンピックを目指せるところにやっと届いてきたと思っています。しっかりとこのチャンスをつかめるようにしたいです」と自信を持って臨んでいます。

 パリ2024オリンピック出場へ向け、FIBA 3×3 Asia Cup 2023で優勝し、その世界予選への出場権獲得が目標となります。FIBA 3×3 Asia Cup 2023の予選プールは、昨年のチャンピオンであるオーストラリアと同組。準優勝したニュージーランドが予選プールへの出場権を懸けた予選ドローにおり、1位通過すれば前回大会の金メダルと銀メダルが同じプールで予選を戦うことになります。「過去最大と言えるタフなグループに入りました」という落合選手ですが、「自分たちの強みを出せば必ず勝機は見えてくると思っています」と遅かれ早かれ倒さねばならない相手です。もちろん今合宿は選考会であり、「日本代表入りが約束されていることは全くないですし、自分自身も余裕はありません。本当にゼロからのスタートです」と気持ちを新たに全力で練習に打ち込みながら、3×3男子日本代表を引っ張ってくれています。