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女子U19日本代表:第1次強化合宿レポート「いつも通りを疑う。習慣への挑戦」藪内夏美ヘッドコーチ
今年7月、スペイン・マドリッドで開催予定の「FIBA U19女子ワールドカップ」へ向けた強化がスタート。1月27日(金)〜29日(日)の期間、2022年度女子U19日本代表候補選手を招集し、白鷗大学をお借りして第1次強化合宿を実施しました。

 2021年ハンガリーで開催された前回大会は9位。そして、昨年のFIBA U18女子アジア選手権で3位となり、FIBA U19女子ワールドカップへの出場権を獲得。それ以外にも昨年はFIBA U16女子アジア選手権とFIBA U17女子ワールドカップが続けざまに行われ、「私にとっても、4つの国際大会を終えることができました」と藪内夏美ヘッドコーチが言うように、コロナ禍で延期されていたアンダーカテゴリーのすべての大会を経験しました。各大会後は、テクニカルスタッフとともに世界と戦うためのフィードバックを行い、先日行われた「第8回コーチカンファレンス(オンライン)」でも発表されました。

 ふたたび世界との戦いへ向け、「小さい日本がより効率的に点数を取るための課題の中で大切になるのがスペーシングです」と藪内ヘッドコーチは挙げます。その解決策として、「ビッグマンがスクリーンをかけた後の動きがかなりキーポイントになる」ことを強調し、今合宿から取り組んでいます。パワーフォワードやセンターも積極的に3ポイントシュートを狙うことを意識づけ、選手たちも体現しています。

 早生まれの大学生とともに、メイン世代として半数以上を占めるのが、卒業を間近に控える高校3年生たち。昨年末のSoftBankウインターカップを経て、アーリーエントリーでWリーグに出場しはじめている選手もいます。昨年9月に行われた女子U18日本代表活動以来の再会に、藪内ヘッドコーチは「顔つきが全然違っていてしっかりしていますし、体つきもみんなよくなっているなと感じました」という印象と持ったようです。

 Wリーグの現チャンピオンであるトヨタ自動車アンテロープスに入団した横山智那美選手(桜花学園高校3年)は、「スピードは通用すると思いました。相手がブロックに飛んできても、それをかわしてのフィニッシュもWリーグでは通用したので、そこはすごく自信になっています」と目を輝かせます。トヨタ自動車で経験を積み、女子U19日本代表に残るためにも、FIBA 女子U18アジア選手権で感じた課題をクリアしなければなりません。



「ゴール下での高さや体力の消耗の仕方が全然違いました。U19ワールドカップになれば、対戦相手も全体的にさらに大きくなります。その高さに対抗するためにも全員で合わせを作って、簡単にシュートを決められるためのシチュエーションを作れるように取り組んでいます」

 森岡ほのか選手(札幌山の手高校3年)も日立ハイテク クーガーズの一員として、Wリーグデビュー。FIBA U18アジア選手権での出場時間は平均8.6分。「個人としての課題もたくさんありました」という森岡選手はこのチームでの役割を整理し、最大限の力を発揮するように模索しています。

「札幌山の手では1番ポジションで、点を取りに行くことなど全部自分がやらなければいけなかったです。でも、このチームはすごく能力の高い選手が集まっているので、1番から3番までいろんなポジションで出る機会があるかと思いますが、そこで点を取ったり、まわりと合わせたり、ディフェンスでもしっかりと自分の役割を理解してプレーできるようにしたいです」



 アーリーエントリーとして日立ハイテクに入団した今、「ピックを使うプレーが多く、先日の試合では2番ポジションで出ましたが、そのときにどう攻めれば良いかをすごく勉強させてもらいました」と森岡選手は話しており、チームの大事なピースとしての活躍が期待されます。

 2月11日(土)・12日(日)に国立代々木競技場 第二体育館で開催される「WリーグSUPERGAMES ~4GENERATIONS~」へ出場し、初戦はWリーグ O26チームと対戦(※トーナメント方式)。町田瑠唯選手(富士通レッドウェーブ)や渡嘉敷来夢選手(ENEOSサンフラワーズ)、そして高田真希選手(デンソー アイリス)など日本代表やWリーグを代表するスター軍団に胸を借ります。

 横山選手は「レベルが高い選手がばかりなので、簡単にプレーできないとは思いますが、自分の強みであるドライブやそこからのキックアウトパスでチャンスを作り、相手にとって嫌だなと思われる選手になりたいと思っています」と言えば、森岡選手も「まずは、自分のプレーをしっかり出せるようにチャレンジしていきたいです。とにかく、年下なので元気に戦ってきます」とそれぞれ抱負を述べました。

 「日常を世界基準に!」をテーマとして、すべてでの日本代表活動は強化を行っています。その中において、藪内ヘッドコーチが掲げるキーワードは「いつも通りを疑う」です。国内での試合や自チームで通用しているプレーも、世界に出れば「絶対に通用しません。だからこそ、まずは自分のプレーを疑っていくことが大切です」。今合宿では頭で分かっていても、「習慣への挑戦なので難しいのが現状です」と藪内ヘッドコーチは続けます。それを試すことになる「WリーグSUPERGAMES ~4GENERATIONS~」であり、「うまくいかなくてもこのキーワードを身を持って理解することができれば成長につながるので楽しみです」と期待するとともに、「やるからには勝利を目指します」とどんな試合でも目標は変わりません。