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FIBA女子ワールドカップ2022総括「ディフェンス及第点をあげられるかなという達成感」東藤なな子選手
「FIBA女子ワールドカップ2022」を戦い終えた女子日本代表は帰国の途に着き、10月19日(水)より開幕するWリーグへ向けた準備に入ります。

 東京2020オリンピックのときは最年少だった東藤なな子選手(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)は、スターティングメンバーとして今大会は活躍。役割であり、強みでもあるディフェンスは、「足を動かして積極的に流れを持っていくことを意識していました。自分の中では及第点をあげられるかなという達成感はあります」と自信を見せます。

 がむしゃらにプレーしていたオリンピックのときと比較し、「自分のマークマンの得意なプレーを止めて、チームで準備してきたディフェンスが今回はできたと思います」という成長も実感できました。今年はさらに、オフェンスで数字の残るプレーを目指し、オリンピックでの平均2.3点から平均5.2点へ倍増。マリ戦では3ポイントシュート4本すべてを成功させ、14点を挙げました。合宿中からスキル練習を重ねてきた成果として、「一番は3ポイントシュートを集中的に教えてもらい、知識が増えました。また、ディフェンスを良く見てプレーできるようになりました」とオフェンスでも成長を感じており、着実に経験値を上げています。



 今年のチーム最年少、平下愛佳選手(トヨタ自動車アンテロープス)は11本の3ポイントシュートを成功させ、平均8.6点は髙田真希選手(デンソーアイリス)の平均9.4点に次ぐチーム2番目を記録。「最初はすごく不安な気持ちもありましたが、先輩たちから『思いきってプレーして良いよ』と言ってくれたおかげで、自分のタイミングでシュートを打つことができました。1勝4敗と悔しい結果でしたが、個人的にはすごく良い経験になりました」と言い、充実した5試合になったようです。

 3ポイントシュートは平均5.6本、2ポイントシュートも合わせると平均8本の試投数はチームトップ。「ドライブからのキックアウトシュートや、センター陣がダイブしてくれたことで外回りが空き、チームプレーの中でのシュートチャンスがすごく多かったです」と、その要因を挙げます。恩塚亨ヘッドコーチは「世界一のシューターになれる」と期待を寄せ、今大会で通用したことを平下選手も自信に変えています。



 「ゲームコントロールも全然できていなかったですが、すべてが噛み合っていなかったので、そこが難しかったです」と反省点を挙げる山本麻衣選手(トヨタ自動車アンテロープス)。今大会で世界一になる目標を掲げ、5月から合宿を重ね、そのための準備をしてきました。しかし、実際に対戦した結果、「世界のディフェンスはそんなに甘くなかったです。自分たちがやろうとしているプレーを壊されたときこそ、コートの中でみんながもっと話していけばもっと良かったですが、悪い状況になったときに孤立して1対1になってしまいました」と述べます。

 今年はFIBA 3×3ワールドカップでも予選突破ができなかった山本選手は、「ワールドカップの舞台で力を発揮することの難しさをすごく感じました」と苦い経験となりました。しかし、はじめての大会に挑んだ選手たちにとってはすべてが経験であり、「スピードあるプレーに関しては通用しました」と手応えも感じています。「世界の高さに対して、シュートの時に意識してしまった部分はあります。でも、それは世界の大会に出て行かなければ経験できなかったことですし、今回課題が見つかって良かったと思います」と続け、それを克服することで成長につながります。