NEWS

FIBA女子ワールドカップ2022総括「やっぱり世界っていいな──だからこそ、悔しい気持ちが強くなっている」渡嘉敷来夢選手
「FIBA女子ワールドカップ2022」において、予選敗退で終わった女子日本代表。「4年に一度の大事な大会を予選で終えてしまい、負けて次に行けなかったことが本当に悔しいです」という渡嘉敷来夢選手(ENEOSサンフラワーズ)にとって、リオ2016オリンピック以来となる世界一への挑戦でした。

 悔しさの原因は、「シンプルに自分の力不足かなと感じています。恩塚(亨)ヘッドコーチが求めるバスケットを自分が遂行できなかったことが一番ダメだったところでした。チームとして求めていることができなかったのは申し訳ないと思っています」と言います。今大会において渡嘉敷選手自身はコンディション良く、高い意欲を持って臨めていました。トップレベルとのマッチアップは「やっぱり世界っていいなって感じましたね。だからこそ、悔しい気持ちが強くなっている感じです」と真剣勝負で通用しなかった現実を目の当たりにする機会にもなりました。同時に、全力を尽くしたからこそ、伸びしろも感じています。



「ドライブに行かなかったら自分のシュートが入るか、外れるかも分からなかったことです。思い切ってシュートに行って良かったです。あとはシュートの時に力んでしまった部分もあったので、そこは試合を通してもっと打くことでアジャストできた部分もあったかなと思います」

 ポイントガードがオフェンス作るスタイルの中で、「ボールを持ちすぎている時間帯は、あまりうまく点を取れていなかったのが私自身の印象です」と振り返るのは宮崎早織選手(ENEOSサンフラワーズ)です。

「プレッシャーをかけられたときに無理にボールをもらいに行くよりは、フォワード陣もドライブや3ポイントシュートがある選手が多いので、そこにスクリーンをかけに行って流れを止めない、ずっと動き続けられるプレーを選択できたらこの結果にならなかったのではないかと思います」

 東京2020オリンピックで銀メダルを獲得した日本に対し、「ディナイされて守りがきつかったです。それによってスピードを生かせる部分は少なかったと思います。でも、試合に出ているのは選手たちなので、その中で一人ひとりがアシャストして、5人全員でプレーできれば良かったです」と宮崎選手は話し、今回対応された部分を修正していかなければなりません。



 昨年オリンピックでの出場時間は平均8.3分だった宮崎選手。主力としてコートに立ち、平均18.9分に伸びた今大会を経て、「すごく自信がつき、これからもポジティブに捉えてがんばっていきたいです。自分自身がどれだけ成長でき、どれだけ挑戦し続けるかがこれからの課題です。がんばった先にパリオリンピックにつながればいいなと思うので、怪我なくあと2年、努力し続けていきたいです」と未来を見据えていました。

 恩塚ヘッドコーチは戦い方の原則に基づき、選手一人ひとりが判断してプレーしながらチームとして連動して世界に対抗するスタイルです。これまでの3×3を通じて、選手自身の判断が求められる経験をしてきた馬瓜ステファニー選手(トヨタ自動車アンテロープス)。しかし、5人制の女子日本代表では「どうすれば、お互いの良いところを引き出し合えるかを考えたいです」というのが現状です。「世界を知ることで良くできる部分もあると思いますし、何をしても通じなかった部分もありました。そこを認めて、改善していくことがもちろん重要です」と馬瓜選手は言い、多くの課題点が発見できたことが、今後の向上できるきっかけになると感じていました。

 日本の戦いは終わりましたが、8強が出揃った決勝トーナメントは明日9月29日(木)よりはじまります。連日、女子日本代表の戦いを中継していただいているNHK BS1、CSフジテレビ、DAZNでは引き続き、世界一を決める戦いが見られます。