「FIBA女子ワールドカップ2022」まで、あと2日。6チームで争われる予選ラウンドは、日本時間9月22日(木)13:00のマリ戦からはスタート。5試合の戦績により、上位4チームが決勝トーナメントへ進出します。金メダル獲得、世界一を目指す女子日本代表にとっては、9月1日(木)の決勝まで10日間で8試合をこなすタフな戦いとなります。短い時間でタイムシェアしながら、バトンをつないでいく日本のスタイルで勝ち上がっていきます。
4年前、スペイン・テネリフェで行われた前回大会で女子日本代表デビューを飾った赤穂ひまわり選手(デンソー アイリス)とオコエ桃仁花選手(富士通 レッドウェーブ)。24歳を迎える同い年の2人は昨年の東京2020オリンピックを経験し、赤穂選手は副キャプテンに選ばれました。「先輩たちに任せきりにせず、コート上では流れが悪くなったときなどにしっかり声をかけ、ベンチでも盛り上げていきたいです」と赤穂選手は言い、心身ともに成長著しい若きリーダーとして頼もしさが増しています。
昨年9月から恩塚亨ヘッドコーチ体制で強化を進めてきた今、「はじめたときよりは絶対に今の方がよくなっていますが、まだ完璧ではない部分もあります。そこを徹底していくことでどんどん良くなっていくと思っていますし、大会中に完成させられるようにしたいです」という赤穂選手は伸びしろを感じるからこそ、さらなるレベルアップを目指しています。
恩塚ヘッドコーチ就任時、「日本の先頭を走ってくれ」と期待の言葉をかけられたのはオコエ選手です。東京2020オリンピックまでは、「まだ若いからガムシャラに全力でやれば良い感じでしたが、今は日本の先頭に立ってチームを引っ張ってくれと言われるようになり、求められていることは年々上がっているとも感じています」と使命感強く、チームの雰囲気を明るくするムードメーカーです。
東京2020オリンピックでメンバー争いをしている当初、オコエ選手の笑顔はなかなか見られませんでした。しかし、その競争を乗り越えたことで、「メンタル面の成長は感じています。一番変わったのは自信がついてきた部分です」と言い、Wリーグや女子日本代表として戦ってきたさまざまな経験が彼女自身を強くしてくれました。オリンピックでの銀メダル獲得、FIBA女子アジアカップでチャンピオンになり、「結果がついてきたことで自分のパフォーマンスも上がってきたと思います」とも話しており、今大会でも成功体験を得られるように勝利をつかみにいきます。
マリ戦の翌日には、セルビアとの初対戦が控えています。昨シーズンまでデンソーを指揮していたマリーナ・マルコヴィッチヘッドコーチとの対戦が実現。「昨年のオリンピックで戦えると思っていましたが実現できなかったので、マリーナを相手に対戦したいとずっと思っていました。今回は予選ラウンドで必ず当たり、はじめて対戦する相手でもあるので楽しみです」と話す赤穂選手にとっては、勝利することが恩返しになります。「日本代表選手たちのプレーはマリーナも分かっているので、アジャストされるかもしれません。でも、私も2年間マリーナの下でバスケをしてきて、ディフェンスなど分かっている部分もあるので、負けないようにがんばりたいです」という師弟対決は、9月23日(金)11時ティップオフ。
現地での最終合宿期間中は、アメリカとの合同練習で世界No.1チームと肌を合わせ、その後はベルギーとフランスの強豪を相手にテストゲームで2連勝し、しっかりとピークを合わせて開幕戦へ臨みます。赤穂選手も手応えを感じるとともに、4年前からの成長を発揮する世界大会となります。
「徐々に自分の持ち味であるドライブや走るバスケ、リバウンドなど役割が明確になり、やりたいことを気持ち良くプレーできていることで結果につながってきていると思いますし、そこが成長した部分だと思います。世界中の強い選手たちと戦える大会なので、前回のFIBA女子ワールドカップから成長してきたプレーを今回のワールドカップではしっかり出していきたいです。さらに、しっかりと成長できるように、良いものを得られるようにがんばりたいです」