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男子日本代表:FIBAアジアカップ 準々決勝進出決定「チームケミストリーが高まり、成長もしている」ルーク・エヴァンス選手
ベスト8が出揃った「FIBAアジアカップ2022(以下アジアカップ)」は本日から準々決勝がスタート。日本と同じグループC 1位のイランは、劇的な逆転ブザービーターで勝ち上がってきたヨルダンと、好調レバノンは試合毎に調子を上げている中国とそれぞれ対戦します。

日本は明日7月21日(木)19:30よりグループA 1位のオーストラリアを相手に、FIBAワールドカップ アジア予選Window3(以下Window3)で大敗を喫した借りを返しにいきます。残るカードは安定した強さを発揮する韓国と勢いに乗る若いニュージーランドで争われ、勝ち残った4チームが最終日まで続くプラス2試合の権利を得ます。

準々決勝まで進んだすべてのチームは、今大会を通じて成長が見られています。昨日はフィリピンと体をぶつけ合った消耗戦に屈せず、102-81で勝利した日本もまたステップアップできました。トム・ホーバスヘッドコーチが女子日本代表を率いてきたときから求めている「きれいなバスケット」も体現できるようになっています。ショットチャートを見れば3ポイントシュートとペイントエリア内のきれいに2極化しており、それぞれのシュート数も「バランスが良かったです」とフィリピン戦は及第点を与えました。明日は、成長過程にある日本が前回チャンピオンのオーストラリアに挑みます。

大事な一戦を前に行われたオンライン取材のコメントをご紹介します。

■トム・ホーバスヘッドコーチ

オーストラリアが強いのは当たり前ですが、大差で負けたWindow3も絶対に忘れてはいけません。明日はリベンジゲームです。(負傷した渡邊)雄太選手が戻ってきてくれれば良いですが、それができなければその穴を埋めるためにも、一人ひとりが少しずつレベルアップすることが必要です。気負いすぎることなく、チームバスケの中で少しずつレベルアップすることで良いバスケができ、そこで勝負できればチャンスも出てきます。

Window3でのオーストラリア戦は、相手のフィジカルに対して負けました。しかし、あのときは練習試合もなにも準備できておらず、我々のプレーもできていませんでした。相手も強かったですが、日本も弱かったです。でも、今のチームは成長しており、明日の試合が楽しみです。相手のことよりも、まずは自分たちのバスケを遂行するだけ。スイッチングディフェンスに対する課題もありますが、どうアタックすれば良いかをみんなで考えています。選手たち自身が自分の力を信じ、良いチームになってきました。

■ルーク・エヴァンス選手(ファイティングイーグルス名古屋)

昨日のパフォーマンス(17点/シュート成功率66.7%)はうれしかったですが、次はオーストラリアという強豪が待ち受けています。フィリピン戦の勝利がゴールではないので、今日1日でしっかり準備し、引き続きがんばっていきたいです。

Window3と比較し、相手のロスターは違います。日本はこれまで1ヶ月半ほどこのメンバーとともに過ごし、チームケミストリーが高まり、成長もしています。トムヘッドコーチが目指すバスケを全員で心地よく体現できるようにもなっています。選手それぞれがこのチームの中で貢献できるプレーをさらに見つけて、オーストラリア戦に臨みたいです。

昨日試合後のロッカールームでトムヘッドコーチが言っていたのは、「誰か一人が全ての責任を背負うわけではない。誰かを失ったときこそ一人ひとりがステップアップしてそれをカバーするのがチーム」なので、もし雄太がプレーができない場合はそこをしっかりと埋められるようにがんばっていきたいです。



■富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)

今大会において雄太の存在は大きいですが、その前からワールドカップ予選で長く合宿をし、試合も積んできているので、自分の役割やチームが目指していることは彼がいてもいなくても変わりません。フィリピンがフィジカルに向かって来ていたので、そこに対する戦う気持ちも強く、なおかつBリーグの選手が3人いて、その選手たちに負けたくない気持ちもみんな強かったと思います。

アジアカップを通した試合内容を見ても、チームが目指すバスケに近づいており、理解度も高まっています。今回のメンバーは初選出された選手とも一緒にプレーしており、この中ではベテランの方にもなっているので、引っ張って行かなければ存在になっています。国際試合とBリーグはかなり違います。昨日のようなフィジカルな試合はBリーグではほとんど見られないので、あの経験ができたことは若い選手が多いこのチームにとっては良かったです。そこも含めて、しっかりとチームを引っ張って行かなければいけないと感じています。

オーストラリア戦へ向け、もちろん40分間の中でディフェンスもリバウンドもすべて大事になりますが、特に3ポイントシュートが重要です。強い相手に対し、なかなかインサイドで得点をするのは難しくなるので、シリア戦とまでは言わないですが、ある程度の確率で3ポイントシュートを決めることがカギになると思っています。

■西田優大選手(シーホース三河)

フィリピン戦の途中で雄太さんがケガをしてしまいましたが、それ以外のメンバーとは約1ヶ月半ほどずっと一緒にプレーしてきたので、自分たちのバスケをやるだけだと思って戦っていました。逆に、今まで練習してきたことを出せば、問題なく勝てると思ってもいたので、そこだけに集中して戦っていました。

僕の役割は3ポイントシュートとペイントアタックなので、そこでチームに貢献したい気持ちが一番強いです。イラン戦は思うようにペイントアタックができませんでした。小さいズレから大きいズレを作ることを、トムヘッドコーチは常に言っています。小さいズレから僕がペイントアタックをして、そこから大きいズレを作って良いバスケを展開できるようにしていきたいです。