NEWS

男子日本代表:FIBAアジアカップ 予選グループ2位通過「フィジカルはイランの方が勝っているかもしれないが抑えられないわけでなない」張本天傑選手
「FIBAアジアカップ2022(以下アジアカップ)」は予選ラウンドを終え、イランに初黒星を喫した男子日本代表。2勝1敗で予選グループ2位通過となり、明日7月19日(火)にフィリピンとベスト8進出を懸けて戦います。フィリピンにはキーファー・ラベナ選手、サーディ・ラベナ選手、レイ・パークスジュニア選手と3人のBリーグで活躍する選手がいます。予選ラウンドを終え、そして負けたら終わるこれからの戦いへ向け、選手たちのコメントを紹介致します。

■トム・ホーバスヘッドコーチ

イランは長い間一緒にプレーしているチームであり、日本のオフェンスに対して相手は答えがありました。ディフェンスではミスマッチを突いて、得点を決めてきました。イランは経験があり、負けた試合はすごく勉強になります。ディフェンスでは3番ポジションは良くなかったので、そこの修正点を考えています。例えば、西田(優大)選手を3番で使うことでオフェンスでのスコアリングはできますが、ディフェンスではミスマッチになってしまいます。張本選手にして大きくするのはどうかなと考え中であり、今はいろんなコンビネーションを試しながらチームを作っている段階です。まだ何も決まっていません。

イランは大きくフィジカルも強かったが、次のフィリピンは日本とさほど身長は変わりません。ガードとウィングに良い選手が揃っており、明日はまた違ったチャレンジになります。日本の速さで負けない試合にしたいです。決勝トーナメントは負ければその時点で終わってしまいますが、たくさん試合をしたいから絶対に負けたくないです。このチームがしっかり噛み合えばおもしろいと思っているし、もっと強くなります。ベストを尽くして、絶対勝ちにいきます。

■張本天傑選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)

日本はシンプルなバスケをしており、シュートが入れば勢いに乗って強いですが、昨日のイラン戦のように3ポイントシュートの確率が下がると難しいゲームになる傾向があります。イラン戦は単発なシュートが多く、ペイントアタックからキックアウトなどのシチュエーションを作れば、もう少し楽な展開になったと思います。

イランに対し、特にフィジカルが強いと感じることはなかったです。1on1でやられた場面も、僕に関しては1回しかありませんでした。でも、#15ハダディ選手はパスが起用なので、そこからバックカットでやられてしまう印象がありました。ゴール下でやられるのは仕方ないとチームでも話していましたが、ウイングにカットされるプレーをもう少し抑えなければならなかったです。フィジカルは相手の方が勝っているかもしれないが、抑えられないわけでなないと感じました。

フィリピンは若手とBリーグの選手が中心となり、勢いのあるチームです。それに負けずに自分たちのバスケをしっかり出していかなければなりません。まだ大会は終わっていないですし、しっかりと日本らしさを出し切って、最終的な目標である優勝に向かっていきたいです。



■井上宗一郎選手(サンロッカーズ渋谷)

最近はスイッチングディフェンスをすることが多く、その際に昨日はイランの13番や8番のペリメーターにスコアされてしまい、そこがディフェンスの課題になっています。一方で手応えとして、武器である3ポイントシュートはある程度通用することが分かったので、どんどんチャンスがあれば狙っていきたいです。

Bリーグにもフィリピンの選手が増えてきて、身体能力が高く、リムにアタックするアグレッシブな選手が多い印象です。トムヘッドコーチにもよく言われますが、エネルギーの部分で負けないようにしなければならないです。

決勝トーナメントは負けたら終わってしまうので、目の前の1戦1戦を大事にしなければなりません。選手一人ひとりがプレータイムの中で全力を尽くせるようにし、自分たちの役割を全うすれば絶対に勝てると思っています。自分も肝に銘じてがんばっていきたいです。



■渡邊雄太選手

これまでの収穫としては、今回は若い選手が多く、経験も足りていない中でも戦えることは感じています。昨日に関しては、あまりにもシュートが入らずに難しかったですが、イラン相手にもこのチームで戦える手応えは感じています。修正点としては外のシュートが入らない時に、ペイントアタックして点を取れる選手が少ないです。シリア戦のように外のシュートが当たっていれば良いが、そうではないときにもう少しペイントアタックしていかなければないけないです。

(イラン戦終盤の若手メンバーの活躍について)僕がラプターズにいるときもそうでしたが、彼らにとっては自分たちをアピールする場です。がんばっている姿や、自分たちでチャンスをつかもうと必死な姿を見られたことがうれしいです。20代前半の彼らはこれから10年近く日本代表を支えて行く中で、あのような機会があることは今後に向けて大きな経験になったはずです。

昨日の負け方に対し、一喜一憂する必要はありません。負けるときは負けるし、シュートが入らないときは入らない。
そこでいちいち落ち込まず、次は違うチームとの対戦が待っており、昨日の負けを引きずる必要は全くないという話をしました。次の試合へ向けて、日本らしくディフェンスから走って、シュートを決めることをシンプルに戦っていくだけです。

(日本代表への思い)僕もはじめましての選手が多く、合宿や今大会を通して選手たちの特徴をいろいろ見て学んでいるところですが、本当に良い若手が育っていると感じています。アメリカにいるとBリーグをなかなか見る機会がなく、どこにどんな選手がいるかも正直分かっていません。若くてハングリーな選手がどんどん出てきていることをうれしく感じます。今後の日本代表活動や来年沖縄で開催されるFIBAワールドカップへ向けた12人の選考が大変になってくると僕自身も感じています。しかし、それによって日本のレベルも上がっていきます。どんどん若い選手が国際大会に出て、そこで活躍をして、自分たちでチャンスをものにして行ってることは、今まで経験してきている選手たちへのプレッシャーにもなっています。それによってより良い競争が生まれ、もっと良い日本代表になっていきます。日本での合宿を3日間とこの3試合を通して、これからの日本代表がすごく楽しみであり、ワクワクしながらプレーしている毎日です。