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男子日本代表:FIBAアジアカップ開幕戦勝利「昨日のMVPは河村勇輝だった」渡邊雄太選手
「FIBAアジアカップ2022(以下アジアカップ)」開幕戦を100点ゲーム(100-68)で快勝した男子日本代表。一夜明け、オンライン会見が行われましたので、トム・ホーバスヘッドコーチや選手たちのコメントを紹介致します。今大会の模様はCSフジテレビNEXT / ONE、 DAZNにて生中継されます(BSフジにて録画放送)。次戦は7月15日(金) 19:30よりシリアと対戦。

■トム・ホーバスヘッドコーチ

まずは勝ったことが大きいです。カザフスタン戦は、良いところと悪いところの両方が出ました。前半は出だしから良くなく、ディフェンスが足りなかったです。後半になり、しっかりアジャストをしながら選手たちは我々が目指すバスケをしてくれました。ディフェンスから相手を止めてリバウンドを取って、トランジションを出すことができました。トランジションバスケを求めており、それができたのが良かったです。

身長差により、国際大会ではどうしてもリバウンド数が足りなくなりますが、昨日はリバウンドでも勝ちました(49:35)。フリースローとスティールを増やしたい目標があり、そこも昨日の試合ではフリースロー21本と良かったです。ペイントアタックがよくできた証拠です。また、18本のスティールは最高でした。これまで足りなかった部分に集中し、選手たちはしっかりとプレーしてくれました。

しっかりリバウンドを取り、ハードなディフェンスができ、そして走る。さらに、3ポイントシュートを確率良く決めるといった我々が目指すスタイルを確立することが今大会のメインテーマです。

河村選手は練習もものすごくがんばっていますが、試合に出るとスイッチオンするタイプ。常にスティールを狙っており、昨日の試合も2本のスティールからレイアップを決めたプレーがターニングポイントになりました。そこから渡邊選手ら経験ある選手たちも若い選手のあのプレーを見て、みんなのモチベーションもエナジーもすごく上がっていきました。

■河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)

前半はやはりディフェンスの強度があまりよくなくて、相手に良いシュートを打たれて、3点ビハインドで折り返しました。ハーフタイムにもっとディフェンスの強度を高めよう、ボールを持ってチーム全員で共有して、トランジションの中から攻めようという話があり、それを遂行できたことがこの勝利につながりました。

自分の役割は限られた時間の中で、ひとつのプレーで流れを変えることだと思っているので、そこをヘッドコーチに評価されたのはうれしいです。

富永選手とはU16とU18日本代表から一緒に戦ってきた仲間なので、バスケのタイミングや感覚は合っているところがあります。日本代表でも一緒にプレーし、ともに試合に出られることがうれしいです。彼の良さを少しでも引き出せるようなプレーを心がけていきたいです。

カザフスタン戦は勝利で終わることができましたが、チームとしては3連勝して予選トップを終えることが直近の目標です。カザフスタン戦の前半で課題となったディフェンスの強度を、次は40分間試合を通して徹底していけるように戦っていきます。



■渡邊雄太選手

大会の初戦の入り出しはいつも難しく、僕自身もおそらく長い出場時間になるだろうと試合前に思っており、それも久しぶりだったので最初から良いリズムで行きたいという思いが強かったです。でも、チーム全体として少し硬さが見られた部分もあったと思います。前半は相手のシュートがよく決まっていた中でも、みんなで集中力を切らさなかったことで厳しい場面を乗り越えることができ、後半の爆発につながりました。すごくチームの可能性を感じた試合となりました。

(河村選手について)彼の視野やパスセンスのすごさは練習から分かっていました。特に僕がゴール下でフリーになった時にすかさずにパスを出して、ダンクを決めた場面は彼の良さが出たシーンでした。ベンチから出てきて、あのようなパスで味方を生かしたり、特に昨日の試合は彼のディフェンスから流れを引き寄せて後半の大量リードにつながりました。昨日のMVPは彼だったと思います。

(富永啓生選手について)前半こそシュートは入らなかったですが、練習中から高確率で決めており、彼が打てば決めてくれるという雰囲気になっています。後半に決めた3本の3ポイントシュートも大きかったです。外から決めてくれることで、中も空いてきて良いバスケができます。彼の3ポイントシュートは日本にって大きな武器になります。



■富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)

前半はディフェンスがなかなか機能せず、カザフスタンに多くのシュートをかなりの高確率で決められ、3点ビハインドで折り返すことになりました。しかし、後半はドライブとキックアウトパスからの3ポイントシュート、トランジションオフェンスといった練習してきたことを出すことができました。あれが日本が目指すスタイルであり、トムヘッドコーチが求めているバスケです。機能の勝利は良い自信になりました。

(河村選手の活躍について)あれが彼の持ち味なので、なんの驚きもないです。シーズン中から何度も対戦していますし、シンプルに彼らしいプレーが出ただけです。あれぐらいできることはみんな知っていますが、国際試合ではあのスピードの選手を見たことがないと思うので、相手にとっては脅威になります。

170cmぐらいの選手が2人いる代表チームは、世界でもほとんどないと思います。カザフスタン戦で見せたように、このチームはサイズではなくスピードのところで勝負しており、河村選手の良さも最大限発揮してくれました。彼はスコアファーストではないですが、ディフェンスからリズムを作って、スティールやアシストでチームに勢いを与えてくれています。