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男子日本代表:FIBAアジアカップ初戦まであと3日「自分の仕事や役割を見つけることができたのは練習のおかげ」井上宗一郎選手
FIBAワールドカップ アジア予選 1次ラウンドを終えた男子日本代表は、アジアチャンピオンを決める「FIBAアジアカップ2022(以下アジアカップ)」(インドネシア・ジャカルタ)に臨みます。7月12日(火)に開幕しますが、日本の初戦は7月13日(水)19:30よりカザフスタンと対戦。その後1日おきにシリア、イランとの対戦が続き、まずは予選グループCを全勝し、1位通過が目標です。

アジアカップには、昨シーズンNBAトロント・ラプターズでプレーした渡邊雄太選手と、富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)のオリンピアン2人が合流。トム・ホーバスヘッドコーチは、「2人とも覚えるのが早く、最初から良い練習ができました」と話し、早くも溶け込んでいます。しかし、全員が揃って練習できた準備期間はほぼ3日。現地へ移動した後は、1日1時間しか練習時間がないため、「チームを作りながら、同時に初戦のカザフスタンへ向けた準備もしなければなりません。本当にこの合宿が大事になります」とホーバスヘッドコーチは言い、詰め込んでいます。

FIBA ワールドカップ アジア予選 Window3(以下Window3)では富永啓生選手(ネブラスカ大学)や井上宗一郎選手(サンロッカーズ渋谷)、須田侑太郎選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)らの3ポイントシュートが決まり、探していたシューターが頭角を現しました。しかし、ホーバスヘッドコーチは「まだまだ成功率が足りない」と指摘。89-49で勝利したチャイニーズ・タイペイ戦は12本成功させましたが、その確率は27.9%。目指すは40%越えです。「今後も練習を積み重ねていけば、もっと良いシュートチャンスを作れるようになり、そうなれば良いタイミングやリズムの中で打つことで絶対にシュート確率は上がると思っています」とアジアカップでの確率向上に期待を寄せています。

3ポイントシュートやビッグマンとして身体を張ってリバウンドに絡んだ井上選手。男子日本代表デビュー戦を終え、「Bリーグのシーズンでもあまり試合に出られる機会がなかったわけで、その中であの2試合はすごく自信になりました。合宿中からトムヘッドコーチとは良いコミュニケーションを取りながら、自分の仕事や役割を見つけることができたのは練習のおかげです」と振り返ります。



デベロップメントキャンプのときにホーバスヘッドコーチは、東京2020オリンピックでシューターとして活躍した女子日本代表の林咲希選手の話をしました。当時、林選手は所属するENEOSサンフラワーズでは先発ではなく、それほどプレータイムも与えられていませんでした。しかし、ホーバスヘッドコーチは3ポイントシュートという役割を与え、そこに徹したことで女子日本代表に欠かせない存在になったわけです。その話を聞いた井上選手は、「共通点があり、自分の今の環境に近いなと思いました。Bリーグで試合に出られていなくても、代表ではチャンスがあるんだと思うことができました。Window3での2試合は本当に大きかったです」というきっかけになったようです。

アジアカップへ臨む12人のうち、オリンピアンは3人。渡邊選手と富樫選手、そして張本天傑選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)です。「オリンピックを経験し、世界の強豪と何度も対戦してきました。その経験を同じポジションの井上や吉井(裕鷹)にどれだけ伝えていけるかが大事になります」と張本選手は話しており、積極的にコミュニケーションを取っています。



Window3では課題の方が多かったという張本選手であり、「若手選手が多く、いろんな経験を積まなければいけないことも分かりました。例えばスクリーンのかけ方や体の当たり方など、国際試合を経験しなければ得られない部分もたくさんあったので、そこはどんどん吸収して、試合数が増えるアジアカップでは修正していけるようにしたいです」とチームの底上げを担います。

オリンピックを経験したベテランとデビューを飾った若手選手たちの融合により、どんなチームケミストリーを見せてくれるのか? アジアカップをぜひお楽しみください。CSフジテレビNEXT / ONE、DAZNにて生中継されます。