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男子U17日本代表:FIBA U17ワールドカップまで3日「オーストラリア戦の後半開始早々に2点差まで追い上げることができた場面を思い出しながらプレーしていきたい」渡辺伶音選手
男子U17日本代表として、ふたたび招集された「FIBA U16アジア選手権」の準優勝メンバーたち。2日間の大会直前合宿を経て、本日6月29日(水)に「FIBA U17ワールドカップ」 の開催地となるスペイン・マラガへ出発します。今合宿では、これまで積み上げてきた日本のスタイルを確認するとともに、世界仕様へとバージョンアップを試みています。

アレハンドロ・マルチネスヘッドコーチは、「それではブロックされてしまう。もっとボールを高く上げてシュートを打つこと。相手を振り切るためにも、もっとメリハリをつけてスピードも上げなければならない」と声を挙げ、精度を高めています。FIBA U16アジア選手権では「はじめて決勝進出を果たし、銀メダルを獲得できたのは喜ばしい結果でした」とマルチネスヘッドコーチは及第点を与えるとともに、唯一黒星を喫した決勝でのオーストラリア戦について言及します。

「残念な結果(●63-94)でしたが、サイズもある大きなオーストラリアを相手に後半の出だしで2点差まで詰め、26分間は互角に戦うことはできていました。しかし、その後の時間は自分たちのプレーを遂行することができなかったのが課題です」

チームで一番大きな204cmの渡辺伶音選手(福岡大学附属大濠高等学校1年)は、「自分よりもサイズが大きかったり、もっとジャンプ力があったり、国内ではノーマークと同じような感じで打てていたシュートも、簡単には打たせてもらえませんでした」と言うように、ニュージーランドとオーストラリアの試合は高さに阻まれました。その経験を糧にしつつ、「頭を使わずにボールをもらってそのままシュートを打ってしまっていたので、FIBA U17ワールドカップではフェイクをするなど、もっといろんなことを考えながらプレーしなければいけないです」と話し、改善点は見えています。



川島悠翔選手(福岡大学附属大濠高等学校2年)の平均11.2本に次ぐ、チーム2位の6.2本のリバウンドで活躍した渡辺選手。ニュージーランド戦では214cmと10cm大きな#11Julius HALAIFONUA選手とマッチアップし、「得点は取られる部分もありましたが、リバウンドではさほどやられなかったです。反省点もありましたが、手応えを感じる試合にもなりました」平均12.8点 / 9.5リバウンドのHALAIFONUA選手を10点 / 4リバウンドに抑え、99-79での快勝に渡辺選手も大きく貢献しました。

試合を重ねるごとに成長していった点について、キャプテンの石口直選手(東海大学付属諏訪高等学校3年)は、「きついときにどれだけがんばれるかがチーム力につながると自分の中では思っていました。大会中もきつくなるときが結構ありましたが、そのときに(小川)瑛次郎をはじめ、全員で声を掛け合うことを大事にしていました。そこがチーム力につながったと思います」と引っ張ってくれました。



FIBA U17ワールドカップまでの準備期間は少なく、半日以上をかけてスペインまで移動し、7時間の時差にも体を慣らさねばなりません。日本時間7月3日(日)深夜1時30分より迎える初戦のドミニカ共和国戦が、予選ラウンドのターゲットゲームになるとマルチネスヘッドコーチは考えています。しかし、石口選手は、「初戦が一番コンディションもメンタルも難しい部分があります。全員で声をかけて、FIBA U16アジア選手権でみんなで戦ってきたことをこのFIBA U17ワールドカップでも継続していきたいです」と話し、そのためにも「根底」となる部分を大事にしていました。

「この2日間の練習で球際の争いやリバウンドなど、チームの根底となる部分の力をさらにつけていかなければならないとすごく感じています。ニュージーランド戦はリバウンドやディフェンスをがんばって、そこからブレイクを出すことができました。根底の部分をがんばり続けられたからこそ、あの試合の成果につながりました。逆に言えば、オーストラリア戦ではその根底の部分を継続できなかったことが課題です。上辺の技術も必要ですが、勝つためには根底の部分が大事であり、そこを意識して練習しています」

FIBA U17ワールドカップではドミニカ共和国、スペイン、リトアニアと格上であり、大きな相手との戦いが続きます。日本が大事にしなければならないルーズボールとリバウンド、そしてディフェンスの根底の部分を石口キャプテンは意識させ、様々なビハインドを乗り越えていきます。FIBA U16アジア選手権で体感したオーストラリアが、世界では当たり前のレベルとなります。渡辺選手は、「オーストラリアは今まで対戦してきたチームとは全く違いました。常にコミュニケーションを取っていて、難しい時間帯になってもすぐに立て直してきました。あれが世界のチームだと感じましたし、FIBA U17ワールドカップではもっと手強い相手もいると思います。でも、オーストラリア戦の後半開始早々に2点差まで追い上げることができた場面を思い出しながら、プレーしていきたいです」と自信を持って、世界へ挑みます。