NEWS

男子U22日本代表:FISUワールドユニバーシティゲームズ代表選考合宿実施報告「ここに選ばれた選手たちの責任として考えてチャレンジ」網野友雄ヘッドコーチ
今年6月26日より中国・成都にて開催予定の 「FISUワールドユニバーシティゲームズ」(旧ユニバーシアード)へ、2大会ぶりに出場権を与えられた男子U22日本代表チームは2月20日(日)~24日(木)の期間、福島県内にて選考合宿を実施しました。

コロナ禍により1年延期となったことで、今大会のみ大学を卒業したBリーグ2年目の選手まで(※本来は1年目まで)が出場対象となります(※国外で活躍する大学生も対象)。今合宿は現役大学生だけを招集しましたが、 「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」Window2へ向けた日本代表候補に名を連ねる寺嶋良選手やマーフィー アイザイア選手(ともに広島ドラゴンフライズ)、西田優大選手(シーホース三河)らがライバルです。

候補選手の中には、特別指定選手としてBリーグでプレーしている選手が約1/3ほどおり、さらにアジア競技大会へ向けた男子日本代表の若手キャンプに招集された高島 紳司選手(大東文化大学3年)と金近 廉選手(東海大学1年)と楽しみな世代です。

男子日本代表合宿で学んだことを男子U22日本代表に還元する高島紳司選手


網野友雄ヘッドコーチは、「全体的に190cm台から2mの選手がバランス良く、全員がプレーメイカーになれるようなタレントは揃っています」と話すとともに、この世代はサイズアップやポジションアップを継続していきます。その中でも「小さくてもディフェンスの激しいガード陣と競わせて、大きな選手がそのハードさやスピードに負けないプレーができるようになること。アンダーサイズの選手たちでも、どうやれば生き残っていけるのかという部分を見出して欲しいです」と切磋琢磨させました。

トム・ホーバスヘッドコーチ率いる男子日本代表へつなげるためにも「ブレイクの割合を上げ、その中でもきちんとペイントアタックし、フリースローを獲得することも含めた2ポイントシュートが第一優先。それ以外はオープンの3ポイントシュートの割合を増やしていくこと」であり、一気通貫の強化を目指しています。

男子日本代表合宿に参加した高島選手は、「細かい部分や日本代表にとって大事な部分を学ぶことができました。ここではプレーでも、言葉でも率先して伝えていきたいです」と意欲的に取り組んでいます。今回、世界と対戦できるチャンスがめぐってきたことで、「数少ない機会なので、ぜひ自分もそこにチャレンジしたいです。今後もBリーグでプレーしたいと思っており、そこで活躍するためにも世界を経験したいですし、自分が中心となって結果を出せるようにがんばりたいです」とホーバスヘッドコーチから教わった勝利へ向かうメンタルタフネスも忘れていません。

 今年度の関東大学リーグ戦で平均17.3点を挙げ、得点ランキング2位の活躍を見せた渡部 琉選手(中央大学3年)は、はじめて代表活動に招集されました。特別指定選手として広島ドラゴンフライズの一員でもある今、「Bリーグで経験を積んでいる分、最終メンバーに選ばれるようにがんばっていきたいです」と意気込みを語ります。代表入りを目指すためにも「得点を取ることに執着し、アグレッシブにプレーすることと自分の脚力も使っていきたいです」とアピールします。

渡部 琉選手は持ち前の得点力と脚力でアピール


 2大会前に出場したユニバーシアード(2017年/台北)は24チーム20位。過去には決勝に進み、アメリカに敗れて準優勝になりましたが、近年はなかなか勝てずにいます。男子日本代表が世界に挑んだFIBAワールドカップ2019と東京2020オリンピックは全敗に終わりました。今回候補された中には、FIBA U19 ワールドカップ2021へ出場し、同じく1勝もできず悔しい思いをしています。現役時代は男子日本代表のキャプテンとして活躍した網野ヘッドコーチは過去の経験や結果を全て伝え、その上でどうすべきかを選手たちに問いかけます。

「国際大会において、リバウンドやフィジカルの差で勝てなかったことは永遠の課題になっています。今、男子日本代表が世界を相手に負けている現状に対し、自分たちがどう捉え、どう変革していくか。ここに選ばれた選手たちの責任として考え、チャレンジしなければなりません。経験値などの課題はありますが、アンダーサイズでも簡単にボールを持たせないディフェンスをし、相手を嫌がらせるようなプレーをするメンタルタフネスさを持たない限りは、同じ課題を前にしても絶対にクリアできないと伝えました。その競争心を少しでも植え付け、彼らがこの合宿を終えた後に所属チームの仲間たちにも伝えて、この世代から常に競い合えるようになることが解決への近道だと考えています」

世界に勝利する第一歩は気持ちの問題であり、ホーバスヘッドコーチも同じように男子日本代表のカルチャーを変化させるために情熱を傾けています。同じく網野ヘッドコーチも、「どんどん型を破ってチャレンジして良い。今日より明日、必ず良くなろう」と発破をかけながら、自分を信じ、勝利を信じて努力するための変革に着手しています。