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【Jr.ウインターカップ2021-22 現地レポート】高校へとつながる『トリコロールのユニフォーム』
「選手は素直でいい子たち。だからこそ勝たせてあげたかったですね…」

試合後、NAGASAKI (長崎) の指揮を執る田崎貴洋ヘッドコーチは、がっくりと肩を落とした。

「Jr.ウインターカップ2021-22 2021年度 第 2 回全国 U15 バスケットボール選手権大会」(以下、Jr.ウインターカップ2020-21) は、大会 2 日目となり、女子 2 回戦が行われた。

シードにより今日の 2 回戦が初戦となった NAGASAKI は市川市立第三中 (千葉) と対戦。試合は、「相手のディフェンスが少し緩かったため、チャンスがあれば積極的に 3 ポイントシュートを打っていった」(田崎ヘッドコーチ) という NAGASAKI が第 2 クォーターだけで 5 本の 3 ポイントシュートを沈めて、前半を36-28と 8 点リードする。

しかし、後半に入ると前半から修正を施してきた市川三中の激しいディフェンスの前に NAGASAKI は思うようにシュートが入らず。第 4 クォーター中盤に逆転を許してしまうと、その後は市川三中に引き離され、最後は54-65で敗れた。

「強かったですね。相手は確実にシュートを決めてきましたが、うちはタフショットになってしまいました」と田崎コーチは、試合を振り返った。



NAGASAKI は、県内でトライアウトを行い、そこから選ばれた12名の選手で構成されているチーム。県の選抜チームとして出場する理由には、県内のクラブチームが少ないこともあるが、一番は『育成』の要素が大きい。大会では勝つことはもちろんではあるものの、「中高が連携を取りながら、このチームを高校へとつなげていく」ことにも重きを置いているのだ。

今年は秋に地元開催となる「長崎がんばらんば国体」が予定されている。今大会に出場した選手たちは、ちょうどその国体での中心の世代となる。それだけに、「今回の経験をつないでくれたら」と田崎コーチは語る。

その NAGASAKI のユニフォームは、3 年前まで 3 月末に開催されていた「都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会」 (以下、ジュニアオールスター) と同じデザインのもの。「長崎はトリコロールカラーですから」と田崎コーチは目を細める。
かつて貿易港として栄え、西洋との文化の窓口でもあった長崎。長崎市内には、姉妹都市のフランス・ヴォスロール村にちなんで、青、白、赤とそれぞれに橋があるなど、トリコロールカラーは長崎を象徴する色でもある。

現在大学で活躍する米須怜音 (日本大学) や江村優有 (早稲田大学) らも、同じユニフォームを着て全国の舞台で躍動した。
初戦で敗れたはしたものの、偉大なる先輩たちから引き継いだトリコロールカラーのユニフォームを身にまとっての戦いは、選手たちにとって高校へとつながる大きな経験となったに違いない。