【Jr.ウインターカップ2021-22 現地レポート】明豊中の8人で見られなかった風景は次のステージで
昨年とは異なる風景を見るはずだった。そのための準備もしてきたつもりだ。しかし目の前の壁は思った以上に高く、いや、それどころか、その名前にもどこか圧倒されてしまっていた。
「Jr.ウインターカップ2021-22 2021年度 第2回全国U15バスケットボール選手権大会」の男子1回戦、明豊中学校 (大分) は千葉ジェッツU15 (千葉) に46-74で敗れた。
明豊中学の今大会のロスターはわずか8人。男女を通じて最も少ないロスターである。しかもすべてが3年生。下級生がいないわけではないが、彼らは今週末に地元でおこなわれる九州ブロック大会予選に出場するため、最近の新型コロナウィルスの再拡大も懸念して、地元・大分に残す決断をした。
とはいえ、昨年度の大会でも今の3年生、当時の2年生が中心になって、戦っている。結果として広島ドラゴンフライズU15に完敗しているのだが、だからこそ、今年はその経験を生かして、もっと勝負できると思っていた――。
「昨年もこの場所に立たせてもらっているので、今年はもっと勝負になるんじゃないかという期待はありました。一方で千葉ジェッツという名前にやられたところもあります。普段はあまり緊張しない子たちなんですけど、今日は朝から緊張していました。それがいい緊張感となって、試合の入りはよかったんですけど、#5 内田悠介のケガで流れが向こうに傾いて、それを取り戻せなかった……そこが悔しいところです」
チームの指揮を執る石田剛ヘッドコーチは試合をそう振り返る。
200センチの #42 渡邉怜音を筆頭に絶対的な高さのある千葉ジェッツU15に対し、唯一身長で引けを取らないのは191センチの内田くらいだった。その内田が第1クォーターで左手首を故障し、後半以降、コートに戻ってくる場面もあったが、もはや両手でボールを扱える状態ではなかった。
ただでさえ高さに劣る明豊中学が唯一のビッグマンを失い、リバウンドでも競り合うことができなくなれば、伝統の走るバスケットも影を潜める。
「走りを出せなかったところも、ちょっと悔しいところかな……」
石田コーチがそう言えば、キャプテンの #4 吉本晟も言葉を継ぐ。
「大きい相手に対しての対策もしてきましたが、通用しなくて……パスももらえなかったし、外からのシュートも、ドライブも止められませんでした」
昨年に続く完敗だが、これですべてが終わるわけではない。彼らには高校バスケットが待っている。同高校には男子バスケットボール部がないそうで、彼らのほとんどが大分県内、もしくは九州の高校へ進学するという。吉本もまた県内の高校へと進む予定だ。不慣れのためか、取材に対しても緊張した様子で答えていた吉本だったが、最後のコメントは明快だった。
「明豊中学で過ごした3年間はとても有意義な時間でした。今日は3ポイントシュートが 3 本入ったけど、もっと決められるようになりたいし、ここでやってきたことは高校でも生かせると思うので、高校でも頑張りたいです」
2年連続の完敗に、もしかしたら彼ら自身も多少の失望を抱いたかもしれない。しかしそこからもう一度希望を見出すことができれば、高校バスケットでは今大会で見られなかった風景が見られるはずだ。全国の壁は決してたやすく乗り越えられないからこそ、挑戦のし甲斐もある。
「Jr.ウインターカップ2021-22 2021年度 第2回全国U15バスケットボール選手権大会」の男子1回戦、明豊中学校 (大分) は千葉ジェッツU15 (千葉) に46-74で敗れた。
明豊中学の今大会のロスターはわずか8人。男女を通じて最も少ないロスターである。しかもすべてが3年生。下級生がいないわけではないが、彼らは今週末に地元でおこなわれる九州ブロック大会予選に出場するため、最近の新型コロナウィルスの再拡大も懸念して、地元・大分に残す決断をした。
とはいえ、昨年度の大会でも今の3年生、当時の2年生が中心になって、戦っている。結果として広島ドラゴンフライズU15に完敗しているのだが、だからこそ、今年はその経験を生かして、もっと勝負できると思っていた――。
「昨年もこの場所に立たせてもらっているので、今年はもっと勝負になるんじゃないかという期待はありました。一方で千葉ジェッツという名前にやられたところもあります。普段はあまり緊張しない子たちなんですけど、今日は朝から緊張していました。それがいい緊張感となって、試合の入りはよかったんですけど、#5 内田悠介のケガで流れが向こうに傾いて、それを取り戻せなかった……そこが悔しいところです」
チームの指揮を執る石田剛ヘッドコーチは試合をそう振り返る。
200センチの #42 渡邉怜音を筆頭に絶対的な高さのある千葉ジェッツU15に対し、唯一身長で引けを取らないのは191センチの内田くらいだった。その内田が第1クォーターで左手首を故障し、後半以降、コートに戻ってくる場面もあったが、もはや両手でボールを扱える状態ではなかった。
ただでさえ高さに劣る明豊中学が唯一のビッグマンを失い、リバウンドでも競り合うことができなくなれば、伝統の走るバスケットも影を潜める。
「走りを出せなかったところも、ちょっと悔しいところかな……」
石田コーチがそう言えば、キャプテンの #4 吉本晟も言葉を継ぐ。
「大きい相手に対しての対策もしてきましたが、通用しなくて……パスももらえなかったし、外からのシュートも、ドライブも止められませんでした」
昨年に続く完敗だが、これですべてが終わるわけではない。彼らには高校バスケットが待っている。同高校には男子バスケットボール部がないそうで、彼らのほとんどが大分県内、もしくは九州の高校へ進学するという。吉本もまた県内の高校へと進む予定だ。不慣れのためか、取材に対しても緊張した様子で答えていた吉本だったが、最後のコメントは明快だった。
「明豊中学で過ごした3年間はとても有意義な時間でした。今日は3ポイントシュートが 3 本入ったけど、もっと決められるようになりたいし、ここでやってきたことは高校でも生かせると思うので、高校でも頑張りたいです」
2年連続の完敗に、もしかしたら彼ら自身も多少の失望を抱いたかもしれない。しかしそこからもう一度希望を見出すことができれば、高校バスケットでは今大会で見られなかった風景が見られるはずだ。全国の壁は決してたやすく乗り越えられないからこそ、挑戦のし甲斐もある。