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【SoftBank ウインターカップ2021 現地レポート】福岡第一が苦境を乗り越えてつかんだ銅メダル
福岡第一(福岡②)と帝京長岡(新潟①)との対戦となった「SoftBank ウインターカップ2021 令和3年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の男子準決勝。ともにディフェンスを持ち味としているチーム同士の試合は、前半から互いのディフェンスが光り、相手をロースコアに抑えた。

さらに後半、#7 島倉欧佑の3ポイントシュートなどで6点を追う帝京長岡が福岡大学附属大濠に追い付くと、そこからは一進一退の展開に。すると、終盤にはシュートを決め切れずリズムに載れない福岡第一を尻目に要所のシュートを沈めた帝京長岡が、最後は67-61で勝利した。



「帝京長岡の粘りのディフェンス、しぶといシュート、島倉くんのリバウンドなどが、まだうちには足りないところだなと感じました」と試合を振り返ったのは、福岡第一の指揮を執る井手口孝コーチ。

また、終盤にシュートが思うように入らなかった場面も、「苦しい時に誰が点を取るのか。そういったことがキャリアがない分、どうしても#88佐藤 (涼成)、#8 轟 (琉維) の2人になってしまう。でも、そこは守られてしまうなかで、他のポジションの選手たちが見てるようなオフェンスになってしまったのかなと思います」とも語った。

福岡第一は、夏に新型コロナウイルス感染症の影響で練習ができないような時期を約1か月間過ごした。全国には同様の状況を経験したチームもあるだろう。指揮官もそれを言い訳にしてはいないが、「あと何か月かあったら…」と、思わず言葉をもらした。それでも、すぐに「ゲームができただけでもありがたいです。全国3位は彼らにとっては不本意かもしれないですが、(ウインターカップ福岡県予選では) 一度、福岡大学附属大濠にも勝っているので、それも含めて3位はほめてあげたいですね」と、苦しい環境の中で全力を尽くした選手たちの労をねぎらった。



一方、「ここぞというところでシュートを決められず、自分の持ち味のジャンプシュートも発揮できませんでした」と肩を落としたのはゲームキャプテンで準決勝でも19得点11リバウンドをマークした#88佐藤。それでも、福岡第一で培ったディフェンスに関しては「3年間で教わったことを最大限に発揮できたのではないかと思います」と胸を張った。

今年はインターハイは不出場。その分も冬に暴れて2年ぶりの優勝を目指したが、決勝までたどり着くことはできず。しかし、コロナ禍というこれまでにない環境のなかでできることを必死に頑張った努力は次の挑戦で実を結ぶはずだ。

「#8 轟や#52小田健太ら下級生が貴重な体験をしてくれたと思うし、(新チームは) 期待できるチームだと思います」と、3年生の#88佐藤は、後輩たちにエールを送り、体育館を後にした。