【SoftBank ウインターカップ2021 現地レポート】短くも濃い3年間を終えた仙台大学附属明成の3年生トリオ
「SoftBank ウインターカップ2021 令和3年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の男子準決勝。前年王者の仙台大学附属明成 (宮城①) は、福岡大附属大濠 (福岡②) に73-81で敗れた。
「私たちのチームの感想よりもまず、対戦した福岡大附属大濠高校がすばらしいチームでしたね。個人技も優れているけれど、チームワークが非常にいい。戦いながら、いろいろ勉強させてもらいました」
敗軍の将となった佐藤久夫コーチは試合後、開口一番で相手チームのことを手放しにたたえた。
前半で一時は16点リードに成功したものの、第2クォーター中盤から#13岩下准平の執念の連続3ポイントシュートで巻き返され、攻めては相手のゾーンプレスにミスが重なり思うように立て直せなかった。今大会、強敵を相手に次々と競り勝ってきた大濠に対し、仙台大明成は初戦からすべて30点以上を開く快勝で、接戦や追い掛ける展開の試合を経験していない。そうした苦しい試合を勝ち切る経験の差が出たようにも見えたが、佐藤コーチは「それはあまり関係ないと思います。こうして競る試合になることは十分承知していましたから」とし、その上で率直に「相手チームの力の強さに、自分たちの力が通用しなかったということ」と脱帽していた。
悔しい結果にはなったが、3年生の#9山崎紀人は「何かが足りなかったというよりは、相手がよくシュートを決めてきた。負けてしまいましたが、自分たちが3年間やってきたことは間違っていないと思っています」と、涙で目を赤くしながらもどこかやり切ったような表情だった。また#8山﨑一渉も、「自分のせいで負けてしまったと思うので申し訳ない気持ちです。でも3年間、仲間とともに頑張れたことに悔いはないです」と言う。
この山﨑 (一) 、山崎 (紀) 、そして#10菅野ブルースの3人は、1年生の頃から将来性を見込まれて試合経験を積み、今年はチームの3本柱となって仲間たちを引っ張ってきた。中でも菅野は高校で本格的にポジションアップし、ケガに苦しみながらも198cmの長身で立派にポイントガードを務めるエースガードに成長。佐藤コーチも「今大会を見ても、あんなふうに大きなガードは将来性が高いだろうと思います。チャンスがあったら、これからも大きなガードの育成に臨んでいきたい」と3年間の育成に手応えをつかんだ様子だ。その菅野はこの準決勝、悔しいファウルアウトとなったものの、佐藤コーチは大会を総括して「去年1年間、ケガでプレーできなかったというハンディがあり、考えてみると今年が高校1年生の全国大会みたいなもの。本当によく頑張ってくれました」と高く評価していた。
現3年生の入学を機に全国でもまれに見る大型化を図り、チームの強化とともに個の育成にも取り組んできた仙台大明成。大型選手のポジションアップには時間がかかり、苦労も伴うものだが、佐藤コーチは彼らとの最後のウインターカップを終えて「東京入りして、ホテルでご飯を食べている彼らを見て『早いもんだな、もう3年だ』『ウインターカップが終わったらあの人たちとお別れだ』と思いました。3年間が短く感じましたね」と言う。
指揮官にとっても、選手たちにとっても、あっという間の3年間だったかもしれない。だが、強度の高い毎日の練習、優勝争いをした毎年の全国大会など、間違いなく濃密な日々を過ごして、彼らは心身ともに大きな進化を遂げた。高校バスケットはここで終わるが、バスケットはこれからも続いてゆく。「卒業後、活躍して先生に恩返ししたいです」と山崎 (紀) が誓うように、これからの彼らの戦いぶりからも目が離せない。
「私たちのチームの感想よりもまず、対戦した福岡大附属大濠高校がすばらしいチームでしたね。個人技も優れているけれど、チームワークが非常にいい。戦いながら、いろいろ勉強させてもらいました」
敗軍の将となった佐藤久夫コーチは試合後、開口一番で相手チームのことを手放しにたたえた。
前半で一時は16点リードに成功したものの、第2クォーター中盤から#13岩下准平の執念の連続3ポイントシュートで巻き返され、攻めては相手のゾーンプレスにミスが重なり思うように立て直せなかった。今大会、強敵を相手に次々と競り勝ってきた大濠に対し、仙台大明成は初戦からすべて30点以上を開く快勝で、接戦や追い掛ける展開の試合を経験していない。そうした苦しい試合を勝ち切る経験の差が出たようにも見えたが、佐藤コーチは「それはあまり関係ないと思います。こうして競る試合になることは十分承知していましたから」とし、その上で率直に「相手チームの力の強さに、自分たちの力が通用しなかったということ」と脱帽していた。
悔しい結果にはなったが、3年生の#9山崎紀人は「何かが足りなかったというよりは、相手がよくシュートを決めてきた。負けてしまいましたが、自分たちが3年間やってきたことは間違っていないと思っています」と、涙で目を赤くしながらもどこかやり切ったような表情だった。また#8山﨑一渉も、「自分のせいで負けてしまったと思うので申し訳ない気持ちです。でも3年間、仲間とともに頑張れたことに悔いはないです」と言う。
この山﨑 (一) 、山崎 (紀) 、そして#10菅野ブルースの3人は、1年生の頃から将来性を見込まれて試合経験を積み、今年はチームの3本柱となって仲間たちを引っ張ってきた。中でも菅野は高校で本格的にポジションアップし、ケガに苦しみながらも198cmの長身で立派にポイントガードを務めるエースガードに成長。佐藤コーチも「今大会を見ても、あんなふうに大きなガードは将来性が高いだろうと思います。チャンスがあったら、これからも大きなガードの育成に臨んでいきたい」と3年間の育成に手応えをつかんだ様子だ。その菅野はこの準決勝、悔しいファウルアウトとなったものの、佐藤コーチは大会を総括して「去年1年間、ケガでプレーできなかったというハンディがあり、考えてみると今年が高校1年生の全国大会みたいなもの。本当によく頑張ってくれました」と高く評価していた。
現3年生の入学を機に全国でもまれに見る大型化を図り、チームの強化とともに個の育成にも取り組んできた仙台大明成。大型選手のポジションアップには時間がかかり、苦労も伴うものだが、佐藤コーチは彼らとの最後のウインターカップを終えて「東京入りして、ホテルでご飯を食べている彼らを見て『早いもんだな、もう3年だ』『ウインターカップが終わったらあの人たちとお別れだ』と思いました。3年間が短く感じましたね」と言う。
指揮官にとっても、選手たちにとっても、あっという間の3年間だったかもしれない。だが、強度の高い毎日の練習、優勝争いをした毎年の全国大会など、間違いなく濃密な日々を過ごして、彼らは心身ともに大きな進化を遂げた。高校バスケットはここで終わるが、バスケットはこれからも続いてゆく。「卒業後、活躍して先生に恩返ししたいです」と山崎 (紀) が誓うように、これからの彼らの戦いぶりからも目が離せない。