【SoftBank ウインターカップ2021 現地レポート】やられたらやり返す
本稿のタイトル「やられたらやり返す」は、今年の大阪薫英女学院の合言葉だ。「SoftBank ウインターカップ2021 令和3年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会」はいよいよ佳境。女子はファイナル進出を懸けた準決勝が行われた。
桜花学園が昭和学院に勝利し迎えた第2戦は、大阪薫英女学院と京都精華学園の“近畿対決”となった。6月の近畿ブロック大会決勝でも顔を合わせた両チーム。その試合は第1クォーターで32-16とした大阪薫英女学院だったが、以降じわじわと差を詰められ、逆転負けを喫している。
近年の近畿地区で実力伯仲のライバル関係にある両校の対戦は、序盤から波乱の幕開けとなった。リードを取ったのは高さのアドバンテージを生かした京都精華学園。#18イゾジェ・ウチェを起点にリズムを作ると、最初の約4分間で薫英は13点のビハインド(2-15)。#4都野七海や#5宮城楽子ら点取り頭の選手たちが抑えられ、逆に京都精華学園はアウトサイドも好調。第1クォーターは12-28。前半を終えた時点でも27-42。
後半で大阪薫英女学院らしいディフェンスからの怒涛の追い上げを見せたものの、最後は80-86で逆転には至らなかった。「第1クォーターでもう少し(積極的に)いってくれると思っていたんですけど、硬い入りをしてしまいました。ディフェンスについては、まずはマンツーマンで頑張ってほしくて、第2クォーターで一つ、第3クォーターでもう一つとディフェンスの引き出しを増やしていくというプランでした。ですが、出だしのところが……とにかく第1クォーターが全てだったと思います」とは大阪薫英女学院の安藤香織コーチ。第1クォーターを除く3つのクォーターでは、68-58とリードしているだけに、余計最初の10分間が悔やまれる。
しかし、後半のプレーは見事なものだった。第2クォーターから仕掛けたオールコートディフェンスが後半で機能。小柄な大阪薫英女学院が全国を勝ち上がるために、安藤コーチが常に口にしていた「やられたらやり返す」バスケットが存分に発揮された。
ファウルトラブルに苦しんだ都野は積極的に攻めて後半だけで20得点(計30得点)、#6熊谷のどかも苦しい場面で何度も3ポイントシュートを決め、3年生の#5宮城楽子も猛攻を仕掛ける中で重要な得点を何度も生み出した。「積極的にいかないとファウルももらえないし、誰もノーマークになりません。たとえブロックされようが、ミスになろうが仕掛けてくれないとということをハーフタイムでかなり強く言ったので、それを後半に出してくれました」と安藤コーチ。都野も「後半はやっていて、いけると思っていました。相手には留学生がいますが、それで外だけになってしまっては点が取れないと思っていたので、しっかりと広がって、宮城さんのドライブや熊谷の3ポイントにつなげるようなプレーを徹底していこうと話していました」と言う。
まさにそんな展開となった後半で最大で6点まで迫ったことは、彼女たちの強さの証しだ。結果は敗れ、悲願の日本一は来年以降にお預けとなった。ただ、インターハイの準優勝に続いて今大会でも小さくても戦えることは十分に示したはずだ。
「やられたらやり返す」
単純な言葉だが、単純なことほど難しい。それを1年間貫き、結果を残してきた大阪薫英女学院の選手たちには、胸を張って銅メダルを掲げてほしい。
桜花学園が昭和学院に勝利し迎えた第2戦は、大阪薫英女学院と京都精華学園の“近畿対決”となった。6月の近畿ブロック大会決勝でも顔を合わせた両チーム。その試合は第1クォーターで32-16とした大阪薫英女学院だったが、以降じわじわと差を詰められ、逆転負けを喫している。
近年の近畿地区で実力伯仲のライバル関係にある両校の対戦は、序盤から波乱の幕開けとなった。リードを取ったのは高さのアドバンテージを生かした京都精華学園。#18イゾジェ・ウチェを起点にリズムを作ると、最初の約4分間で薫英は13点のビハインド(2-15)。#4都野七海や#5宮城楽子ら点取り頭の選手たちが抑えられ、逆に京都精華学園はアウトサイドも好調。第1クォーターは12-28。前半を終えた時点でも27-42。
後半で大阪薫英女学院らしいディフェンスからの怒涛の追い上げを見せたものの、最後は80-86で逆転には至らなかった。「第1クォーターでもう少し(積極的に)いってくれると思っていたんですけど、硬い入りをしてしまいました。ディフェンスについては、まずはマンツーマンで頑張ってほしくて、第2クォーターで一つ、第3クォーターでもう一つとディフェンスの引き出しを増やしていくというプランでした。ですが、出だしのところが……とにかく第1クォーターが全てだったと思います」とは大阪薫英女学院の安藤香織コーチ。第1クォーターを除く3つのクォーターでは、68-58とリードしているだけに、余計最初の10分間が悔やまれる。
しかし、後半のプレーは見事なものだった。第2クォーターから仕掛けたオールコートディフェンスが後半で機能。小柄な大阪薫英女学院が全国を勝ち上がるために、安藤コーチが常に口にしていた「やられたらやり返す」バスケットが存分に発揮された。
ファウルトラブルに苦しんだ都野は積極的に攻めて後半だけで20得点(計30得点)、#6熊谷のどかも苦しい場面で何度も3ポイントシュートを決め、3年生の#5宮城楽子も猛攻を仕掛ける中で重要な得点を何度も生み出した。「積極的にいかないとファウルももらえないし、誰もノーマークになりません。たとえブロックされようが、ミスになろうが仕掛けてくれないとということをハーフタイムでかなり強く言ったので、それを後半に出してくれました」と安藤コーチ。都野も「後半はやっていて、いけると思っていました。相手には留学生がいますが、それで外だけになってしまっては点が取れないと思っていたので、しっかりと広がって、宮城さんのドライブや熊谷の3ポイントにつなげるようなプレーを徹底していこうと話していました」と言う。
まさにそんな展開となった後半で最大で6点まで迫ったことは、彼女たちの強さの証しだ。結果は敗れ、悲願の日本一は来年以降にお預けとなった。ただ、インターハイの準優勝に続いて今大会でも小さくても戦えることは十分に示したはずだ。
「やられたらやり返す」
単純な言葉だが、単純なことほど難しい。それを1年間貫き、結果を残してきた大阪薫英女学院の選手たちには、胸を張って銅メダルを掲げてほしい。