【SoftBank ウインターカップ2021 現地レポート】洛南と中部大学第一、大激戦の末に分かれた明暗
「組み合わせが出てからの約1か月半はそこに向けて一つずつ課題をクリアしながら練習してきました」。洛南の河合祥樹アシスタントコーチの言葉だ。「そこ」とは優勝候補・中部大学第一との対戦のこと。
「SoftBank ウインターカップ2021 令和3年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会」、2回戦の注目マッチアップとなった洛南と中部大学第一による対戦は最終盤までどちらに転ぶか分からない大激戦となった。
立ち上がりは中部大学第一が#14坂本康成の3Pシュートや208cmのセンター#8アブドゥレイ・トラオレの高さを生かしたインサイドで点を伸ばしていく。対する洛南も#10星川開聖のジャンプシュートを起点に付いていき、第1クォーターは19-14で僅かに中部大学第一がリード。
差が開いたのは第2クォーターだった。#8トラオレや#7田中流嘉洲が積極的にペイントを攻めると、外からは#5福田健人の2本の3ポイントシュートなどで5分56秒の洛南のタイムアウト明けから16-2のラン。最後は#9杉原真央がブザービーターとなる3ポイントを沈めて、18点差(45-27)で前半を終えた。「洛南とは練習試合などもやっているので、お互いにある程度の手の内も分かっていました。その辺りがどう出るのかが不安ではありましたが、相手のインサイドをアタックしてファウルトラブルに陥らせ、なるべくベストメンバーで試合を成立させないようなプランを敷いていて、その通りにできました」と常田健コーチ。
サイズで劣る洛南は、常田コーチの思惑通りインサイドの要#10星川と#11西村渉がそれぞれ前半で3ファウル。致命傷とはならなかったが、そのダメージがじわじわ点差を離されたことにつながったのかもしれない。
しかし、“ピンチはチャンス”という言葉があるように、洛南にとってはこのファウルトラブルが反撃の狼煙となった。後半に入るとインサイドを複数人で固め、弾かれたボールにガード人が飛び込み、#5大西一輝と#10星川が連続3ポイント。サイズの大きい相手に対して河合アシスタントコーチが「ずっと作ってきた」という#10星川のポスト付近のジャンプシュートとショートコーナーでの合わせで点差を縮め、ベンチ出場の#9高田和幸と#8杉信イフェアニも思い切りの良い3ポイントで追撃。今年の洛南の持ち味である「全員で守って、全員で攻める」バスケットが中部大学第一を追い詰めていく。
20点あった差はみるみる縮まり、第4クォーター残り6分46秒には#9高田の3ポイントが決まって、とうとう1点差(66-65)。「用意してきたプラン通りにはなりましたが、逆にそうなってから相手の的を絞れなくなったというか。ズレができてしまったことで、外角のアテンプトが増えて、洛南はそれを確率よく決めてきました」と常田コーチが振り返るように、明らかにゲームの流れは洛南にあった。
それでも、中部大学第一も逆転は許さない。1点差の場面から#7田中、#8トラオレのインサイドで再び引き離すと、前半のようなインサイドアタックでファウルを獲得し、フリースローで点差を拡大。最後にはほとんどの時間帯で洛南に封じられてきた走るバスケットも随所に見られ、最終スコアは89-76。大激戦をモノにし、福岡大学附属大濠との3回戦にコマを進めた。
洛南としては最初の35分間は中部大学第一のために練ってきた対策を実行することができたと言える。しかし、それでも崩れずに自分たちのバスケットを貫いた中部大学第一の意地が勝利を引き寄せたーーそんな試合展開だった。敗者はここで大会を去らなければならない。2回戦で見るにはもったいない両者のマッチアップは、最後まで信念を貫き通した中部大学第一の“強さ”が明暗を分かつこととなった。
「SoftBank ウインターカップ2021 令和3年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会」、2回戦の注目マッチアップとなった洛南と中部大学第一による対戦は最終盤までどちらに転ぶか分からない大激戦となった。
立ち上がりは中部大学第一が#14坂本康成の3Pシュートや208cmのセンター#8アブドゥレイ・トラオレの高さを生かしたインサイドで点を伸ばしていく。対する洛南も#10星川開聖のジャンプシュートを起点に付いていき、第1クォーターは19-14で僅かに中部大学第一がリード。
差が開いたのは第2クォーターだった。#8トラオレや#7田中流嘉洲が積極的にペイントを攻めると、外からは#5福田健人の2本の3ポイントシュートなどで5分56秒の洛南のタイムアウト明けから16-2のラン。最後は#9杉原真央がブザービーターとなる3ポイントを沈めて、18点差(45-27)で前半を終えた。「洛南とは練習試合などもやっているので、お互いにある程度の手の内も分かっていました。その辺りがどう出るのかが不安ではありましたが、相手のインサイドをアタックしてファウルトラブルに陥らせ、なるべくベストメンバーで試合を成立させないようなプランを敷いていて、その通りにできました」と常田健コーチ。
サイズで劣る洛南は、常田コーチの思惑通りインサイドの要#10星川と#11西村渉がそれぞれ前半で3ファウル。致命傷とはならなかったが、そのダメージがじわじわ点差を離されたことにつながったのかもしれない。
しかし、“ピンチはチャンス”という言葉があるように、洛南にとってはこのファウルトラブルが反撃の狼煙となった。後半に入るとインサイドを複数人で固め、弾かれたボールにガード人が飛び込み、#5大西一輝と#10星川が連続3ポイント。サイズの大きい相手に対して河合アシスタントコーチが「ずっと作ってきた」という#10星川のポスト付近のジャンプシュートとショートコーナーでの合わせで点差を縮め、ベンチ出場の#9高田和幸と#8杉信イフェアニも思い切りの良い3ポイントで追撃。今年の洛南の持ち味である「全員で守って、全員で攻める」バスケットが中部大学第一を追い詰めていく。
20点あった差はみるみる縮まり、第4クォーター残り6分46秒には#9高田の3ポイントが決まって、とうとう1点差(66-65)。「用意してきたプラン通りにはなりましたが、逆にそうなってから相手の的を絞れなくなったというか。ズレができてしまったことで、外角のアテンプトが増えて、洛南はそれを確率よく決めてきました」と常田コーチが振り返るように、明らかにゲームの流れは洛南にあった。
それでも、中部大学第一も逆転は許さない。1点差の場面から#7田中、#8トラオレのインサイドで再び引き離すと、前半のようなインサイドアタックでファウルを獲得し、フリースローで点差を拡大。最後にはほとんどの時間帯で洛南に封じられてきた走るバスケットも随所に見られ、最終スコアは89-76。大激戦をモノにし、福岡大学附属大濠との3回戦にコマを進めた。
洛南としては最初の35分間は中部大学第一のために練ってきた対策を実行することができたと言える。しかし、それでも崩れずに自分たちのバスケットを貫いた中部大学第一の意地が勝利を引き寄せたーーそんな試合展開だった。敗者はここで大会を去らなければならない。2回戦で見るにはもったいない両者のマッチアップは、最後まで信念を貫き通した中部大学第一の“強さ”が明暗を分かつこととなった。