【SoftBank ウインターカップ2021 現地レポート】敗戦のなかで見せたルーキーのポテンシャル
全国のデビュー戦は上々だった。しかし全国大会は一つ勝ち上がるたびに、また一つ高い壁が待ち受けているものだ。
「SoftBank ウインターカップ2021 令和3年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会 (以下、ウインターカップ2021)」の男子2回戦、東山は前橋育英と対戦し、94-97で敗れた。
ルーキーの#12佐藤友は、前日の1回戦でチームトップの27得点をあげている。彼は大澤徹也コーチに「本来は夏(インターハイ)にお披露目したかった」と言わせるほどの将来のエース候補だが、今年3月に受傷した左膝の影響でインターハイ予選には間に合わず、チームもインターハイに出られなかった。つまりこのウインターカップが佐藤にとっての全国デビューだったというわけである。
その全国のデビュー戦で佐藤は27得点、しかも得意とする3ポイントシュートを5本沈めているのだ。しかし前橋育英戦ではそれを10本放って、わずか1本しか決められていない。
「昨日アウトサイドシュートが入った分、今日は相手のスカウティングがよくて、寄りも速くて、なかなか入りませんでした」
打てども、打てどもリングに弾かれていく佐藤のシュート。しかし後半からは力強いドライブで得点を重ねていき、前半こそ4得点に終わっていたが、試合終了時にはチーム2番目となる21得点まで伸ばしている。得意とする3ポイントシュートが決まらなかったとき、そのままで終わらないところに、東山を背負っていく選手としての片鱗は垣間見える。
「先生に『積極的にやれ』と言われて、どんどんドライブに行こう、最悪ファウルをもらおうと思って、ドライブに行きました。自分のほうがサイズで勝っていたので、慌てずにしっかりと得点にできたことが、得点を重ねられた理由だと思います」
新潟県出身。B.LEAGUE の新潟アルビレックスBBのユースチームでプレーしていたが、「自分の『プロになりたい』という目標に近づける場所がここ (東山) にあったので、ここを選びました」と佐藤は県外への進学を決意する。結果として1年目はインターハイに出られず、ウインターカップも2回戦でその幕を下ろした。
「今日は立ち上がりがよくなくて、後半になってエンジンがかかった感じです。中学のときから、前半は緩く入って、後半にエンジンがかかるタイプでした。そこはまだ自分の悪いところなのかなと。すべてのクォーターで自分のすべての力を出して、自分の役割をしっかり果たしていくことを目標にして、これからもっともっと強くなりたいです」
克服すべき課題は山ほどある。ノーマークだった初戦とは異なり、2戦目以降はどのチームもスカウティングを施し、さまざまな視点から、細かくアジャストしてくる。そのときにどう上回っていくか。勝って終わりではない。負けて終わりでもない。だからこそ、大澤コーチも「佐藤に関しては楽しみしかありません」とさらなる成長への期待を寄せるのだ。
高校生活初の全国大会をほろ苦い敗戦で終えた佐藤の成長を、あと2年、我々見る側も存分に楽しませてもらいたい。
「SoftBank ウインターカップ2021 令和3年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会 (以下、ウインターカップ2021)」の男子2回戦、東山は前橋育英と対戦し、94-97で敗れた。
ルーキーの#12佐藤友は、前日の1回戦でチームトップの27得点をあげている。彼は大澤徹也コーチに「本来は夏(インターハイ)にお披露目したかった」と言わせるほどの将来のエース候補だが、今年3月に受傷した左膝の影響でインターハイ予選には間に合わず、チームもインターハイに出られなかった。つまりこのウインターカップが佐藤にとっての全国デビューだったというわけである。
その全国のデビュー戦で佐藤は27得点、しかも得意とする3ポイントシュートを5本沈めているのだ。しかし前橋育英戦ではそれを10本放って、わずか1本しか決められていない。
「昨日アウトサイドシュートが入った分、今日は相手のスカウティングがよくて、寄りも速くて、なかなか入りませんでした」
打てども、打てどもリングに弾かれていく佐藤のシュート。しかし後半からは力強いドライブで得点を重ねていき、前半こそ4得点に終わっていたが、試合終了時にはチーム2番目となる21得点まで伸ばしている。得意とする3ポイントシュートが決まらなかったとき、そのままで終わらないところに、東山を背負っていく選手としての片鱗は垣間見える。
「先生に『積極的にやれ』と言われて、どんどんドライブに行こう、最悪ファウルをもらおうと思って、ドライブに行きました。自分のほうがサイズで勝っていたので、慌てずにしっかりと得点にできたことが、得点を重ねられた理由だと思います」
新潟県出身。B.LEAGUE の新潟アルビレックスBBのユースチームでプレーしていたが、「自分の『プロになりたい』という目標に近づける場所がここ (東山) にあったので、ここを選びました」と佐藤は県外への進学を決意する。結果として1年目はインターハイに出られず、ウインターカップも2回戦でその幕を下ろした。
「今日は立ち上がりがよくなくて、後半になってエンジンがかかった感じです。中学のときから、前半は緩く入って、後半にエンジンがかかるタイプでした。そこはまだ自分の悪いところなのかなと。すべてのクォーターで自分のすべての力を出して、自分の役割をしっかり果たしていくことを目標にして、これからもっともっと強くなりたいです」
克服すべき課題は山ほどある。ノーマークだった初戦とは異なり、2戦目以降はどのチームもスカウティングを施し、さまざまな視点から、細かくアジャストしてくる。そのときにどう上回っていくか。勝って終わりではない。負けて終わりでもない。だからこそ、大澤コーチも「佐藤に関しては楽しみしかありません」とさらなる成長への期待を寄せるのだ。
高校生活初の全国大会をほろ苦い敗戦で終えた佐藤の成長を、あと2年、我々見る側も存分に楽しませてもらいたい。