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【SoftBank ウインターカップ2021 現地レポート】「気負わず、のびのびと全員で戦う」1年ぶりに全国舞台に戻ってきた東京成徳大学
 12月24日、女子2回戦を迎えた「SoftBank ウインターカップ2021 令和3年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。東京成徳大学(東京②) がインターハイベスト8の開志国際 (新潟①) に78–55で快勝し、3回戦進出を決めた。

 前年大会で準優勝を果たした東京成徳大学だが、今年のインターハイは不出場。激戦区の東京都予選で明星学園と八雲学園に敗れ、都3位で全国への出場権を逃したのだ。ただ、この夏の悔しさはチームにとって苦い良薬になった。遠香周平氏 ( 現アシスタントコーチ ) に代わって今年から指揮を執る小林康裕コーチは「夏の予選は本当に悔しい思いをして、選手たちには『私の力不足で勝たせられなかった』という話をしました。そしてチームに何が足りなくて何が必要なのか、今後どういうマインドで戦っていくべきなのか、自分たちのことをじっくりと見直したんです」と言う。その甲斐あって、冬の予選では八雲学園にリベンジ成功。明星学園には敗れたものの、都2位でのウインターカップ出場となった。



今年の東京成徳大学を引っ張るのは、キャプテンの#4佐坂光咲と大黒柱の#5古谷早紀。2人とも昨年からスタメンで全国準優勝を経験し、ここぞという場面で得点できる頼もしい3年生だ。ただ、小林コーチいわく「あの2人が柱になることは間違いないのですが、タイムシェアしながらチーム全員で戦っていくのがうちのスタイル」。佐坂が「みんながエース」と胸を張るように、粘り強いディフェンスからのトランジションを磨いて、相手に的を絞らせない “全員バスケット” が大きな持ち味となっている。実際、今回の開志国際戦でも#8 山宮好葉や#9 村上瑠莉が2桁得点を挙げるなど、総力戦で23点差の快勝を収めた。

 実はこうした “全員で戦う” スタイルは、自身で「すぐに考え込んでしまうタイプで、気負ってしまう」と分析するキャプテン佐坂の性格にもマッチしているようだ。昨年から経験を積み、キャプテンの重責も担うからこそ空回りする場面もあった佐坂。緊張感のある試合にどう臨めばいいのか姉の佐坂樹 (トヨタ紡織 サンシャインラビッツ) に相談したそうで、「『何も考えずに気楽にやればいいよ』と言われ、少し気持ちが楽になりました」と明かす。また、昨年のキャプテンである山田葵 (筑波大学) からも、大会前に「去年は去年、今年は今年。気負わないで戦えばいい」というエールをもらったそうだ。佐坂は「頼もしいチームメイトがいるので、気負わず、のびのびと全員で戦いたいです」と、自らに言い聞かせるように語る。

 東京成徳大学にとって今回のウインターカップは、今年最初で最後となる全国大会。不遇の夏を経験し、ある意味で失うものは何もない。小林コーチは「選手たちが自分たちで『ベスト4』という目標を立てましたが、何より大事なのは自分たちがやろうとしているプレーがどれだけできるか。今日のようにそれが十分にできれば、おのずと勝利が付いてくると思います」と、結果にとらわれずに一戦一戦、自分たちの戦いを貫くことを誓っていた。