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【SoftBank ウインターカップ2021 現地レポート】ガッツあるセンター・三浦瑞貴 ( 仙台大学附属明成 ) が痛感した全国の壁
 第4クォーターの残り7分半を残し、5ファウルで退場――。2年ぶりにウインターカップに出場した仙台大学附属明成 (女子/宮城①)の2年生センター、#13 三浦 瑞貴にとって初めての冬舞台は、ほろ苦い結末に終わった。

 ハイレベルな宮城県予選を延長で制した仙台大学附属明成だが、全国的に見れば決して高さがあるわけではないチーム。その中、スターター最長身となる172cmで、チームのインサイドを任されるのが 2 年生の三浦だ。父はかつて能代工業 (現・能代科学技術) キャプテンとしてウインターカップ優勝を果たした三浦祐司さん、姉は 3 年前にU17ワールドカップにも出場した三浦舞華 (白鷗大学) という生粋のバスケ一家育ち。安達美紀コーチも「小さいながらも持ち前のパワーでインサイドをけん引し、チームが苦しいときほど頑張る選手。姉を尊敬して、自分自身も努力を惜しまずバスケットボールに向き合う姿勢は、下級生ながらもチームに良い影響を与える存在です」と絶大な信頼を寄せ、1 年生の頃からスタートで起用してきた期待の星だ。



 そんな三浦がこの女子1回戦でマッチアップしたのは、197cmの高さを誇る東海大学付属福岡の大黒柱・#34 ファール アミナタ。第1クォーターから体を張って止めようとするものの圧倒的な高さを抑え切れず、上からボールを取られるなどして連続得点を許してしまう。同時に「弾いたボールを取り切れず、体がぶつかってファウルになってしまいました」(三浦)と、第2クォーターの終盤には 3 ファウルに。結局アミナタに前半だけで16得点を奪われ、25–38とビハインドを負った。

 だが、粘り強さがモットーの仙台大学附属明成は諦めない。三浦もファウルトラブルや鼻血でベンチに下がる時間帯もあったが、それでもコートに立てばぶつかり合いを恐れず、体を張ってディフェンスやリバウンドに気を吐いた。ただ、チームとしてはシュート確率がなかなか上がらず、第3クォーター終盤に8点差まで詰め寄ったのを最後に再び離される形に。そして前述のとおり、三浦は第4クォーター半ばでファウルアウト。その後はベンチから仲間の戦いぶりを見守ったが、一矢報いることはできず、56–86で試合終了となった。

 試合後、「自分のところでミスマッチができることは分かっていて対策もしてきたのですが、守り切れませんでした。自分たちが大事にしてきた“リバウンド・ルーズ”も良さを出し切れなかったと思うし、もっとやれることがあったと思います」と、悔しさをにじませた三浦。ただ、苦しい状況でも下を向かず、体を張り続けたガッツあふれる姿勢は見事だった。その理由について三浦はこう語る。

「 ( 仙台大学附属 ) 明成自体が “頑張るバスケ” をモットーにしていますし、私自身も、お父さんやお姉ちゃんと同じく、リバウンドやディフェンス、走ることなど“頑張るバスケ”を大事にしてきました。それに、お姉ちゃんには圧倒的なスキルがあるけれど、私にはない。加えてセンターとしてはすごく小さいので、余計に頑張らなければいけないと思っています。全国で戦うために、そういうハンデを気持ちで埋めようと思っていますし、強気も弱気も周りに伝染すると思っているので、自分が弱気にならずに誰よりも強気でいることを意識しています」

苦しい戦いの中でも強気な姿勢を崩さず、“頑張るバスケ”を貫いた三浦は、まだ2年生。今回の悔しさを飛躍の布石にできるかどうかは、これからの取り組み次第だろう。三浦は「今回経験したことを忘れず、もう一回ここに戻ってこられるようにいっぱい練習して、もっと全国で通用する選手になりたいです」と再起を誓っていた。