【5人制女子 / 準々決勝 大会レポート】日本86-85ベルギー:試合後コメント
■トム・ホーバス ヘッドコーチ
(史上初のベスト4進出を決めて)最高です。ブザーが鳴ったときに、24秒になったのかと思いました。「まだまだディフェンスとリバウンドを徹底して」と言いましたが、終わってました。あの瞬間は絶対に忘れられないです。選手たちの顔も最高の表情をしていました。選手たちによく言うのは、女子日本代表の練習は厳しいです。だからこそ、勝つことが一番楽しい。楽しい練習というのはなく、楽しいことは勝つことであり、優勝することです。これまでアジアカップで優勝してきましたが、そのときのみんなは最高の表情を見せてくれました。でも今日の試合で勝利した後は、そのときより10倍以上も良かったです。このようなゲームがあるからこそ、この仕事は楽しいです。最高です。
日本が小さいチームであることは私も選手自身もみんなが分かっているから、それは問題ではありません。技術などをうまく使えば、世界を相手にも勝つチャンスはいっぱいあります。
第4クォーターは相手にリードされて入りましたが、それまでにも細かいミスがあり、ターンオーバーも多かったのでそこを修正し、ディフェンスではトラップにも行かせました。残り5分くらいから、やっと自分たちのディフェンスを取り戻してくれて、そこから相手のリズムを崩すことができました。最後の林(咲希)選手のシュートは、打った瞬間に入ると思いました。残り4分くらいのときに、林選手の調子があまり良くないように見えて、交代した方が良いかなと思っていました。でも、いつでもどこでも決めてくれるので、林選手を信じ抜いて良かったです。
■#27 林 咲希選手
ボールをもらったときに3ポイントシュートラインから少し遠いところで受け、秒数も少なかったです。最初にシュートを狙ったときに相手が飛んでくれたので、そこからは練習通りのプレーでシュートを打つことができました。練習のおかげです。
最後の場面でドライブの選択肢は、私の頭の中ではなかったです。自然の流れであのシュートになりました。怖さはなかったです。それまでシュートが落ちていましたが、それでもコートに立っている以上は自分の仕事を果たすことが使命だと思っていました。プレッシャーも感じず、ボールをもらったら打とうという役割は、変わらずできたと思います。自分が決めるという思いはなく、ボールを持っていた町田(瑠唯)選手が相手にプレッシャーをかけられてすごく苦しそうにしていたので、助けたいという気持ちだけでした。
■#8 髙田真希選手
ここ数年、強化試合でもベルギーとは対戦する機会が多く、お互いに手の内を知っている中で、自分たちの良さを消されている部分がたくさんありました。ハーフコートではなく、オールコートでガードに対してプレッシャーをかけ、自分のところにスクリーンを行かせないようなタフなディフェンスをしてきました。そこからミスを誘われて、ボールを取られてしまったところも多く、相手のディフェンスのプレッシャーは激しかったです。
今日の勝因は気持ちです。相手も分かっているので、ディフェンスではすごくタフに間合いも詰めてきて、なかなかシュートを打たせてもらえませんでした。そこを振り切るために動きながらでも、目の前にディフェンスがいても、シュートを決め切れたことは気持ちだったと思います。
目標は金メダルであり、それは変わりません。準決勝で勝つことが、その目標に向かうための条件にもなってきます。今日の試合のように40分間動き続けることが日本のバスケットなので、次の試合も日本らしいバスケットを出し、チームメイトを信じて戦っていきたいです。
■#52 宮澤夕貴選手
勝ててホッとしています。自分自身の仕事が3ポイントシュートなので、それを7本決められたのは良かったです。でも、大事なところで強くボールを持たなかったことで、ターンオーバーやリバウンドを取られたり、ミスもあったので修正して次の試合に臨みたいです。勝ったことで次の試合につなぐことができ、またこのメンバーと試合ができることがうれしいです。勝てて良かったです。
後半に10点差が開いたときに、ディフェンスとリバウンドがカギになると思っていました。「自分と仲間を信じて、大丈夫だから」と言い続けていました。円陣を組んだときも「まだ大丈夫だから、今は我慢しよう」と言いました。自分たちには3ポイントシュートがあるから、絶対に波が来ることは信じていました。そのためにも大事なのは、ディフェンスとリバウンドだったので、そこはしっかりやろうと思っていました。
(最後の林選手のシュートに対し)あの場面でも決め切る力がある選手だということは知っています。信じていましたし、決めてくれてすごいうれしかったです。
■#15 本橋菜子選手
ただただうれしいです。この仲間たちは本当に尊敬できる選手ばかりです。また次も一緒に戦えて、本当に良かったです。
今大会に入ってからシュートタッチはずっと良い感じはしています。これまでプレータイムが少なかったですが、逆にその中でいかに自分ができること出せるかと考えたことで、もう迷わずにプレーすることができるようになりました。今は積極的にシュートを狙っています。チームの勢いに自分も乗っかって、もっともっと積極的に行きたいという気持ちになっています。
誰が出ても、誰かがダメでも、チームとしてまたステップアップできているのはこのチームの強みです。一人ひとりがチームのことを考え、自分の仕事を全うしようという姿を見られることが自分にとってもすごく刺激になっています。このチームで歴史を変えたいし、そのためにずっとみんなときつい練習を乗り越えてきました。準決勝の対戦相手は決まってませんが、これまでと変わらずに日本のバスケットを貫き通すことが大事ですし、日本のバスケットで勝ちにいきます。
■#0 長岡萌映子選手
最後にブザーが鳴ったときに、ベンチでは何が起きているのか分からず、みんなで固まってました。本当に勝てて良かったです。
(先発から外れたが?)今朝それが決まり、自分自身もすごく葛藤がありました。宮澤(夕貴)選手はシュートの調子が上がっていましたし、相手のインサイドプレーヤーはそこまで速くないので、シューターの方が効くということで交代にありました。自分としても控えで出て、エネルギッシュにディフェンスやリバウンドすることで、また違ったバスケットができました。2ndチームが固いディフェンスするなどの役割を求めていると、ホーバスヘッドコーチにも言われていました。
今日は最後の時間帯に先発メンバーがそのまま出続けていましたが、それまでにつないだ自分たち控えの役割も絶対にこの勝利には必要だったと思います。自分がスタートで出ていたときも同じように思ってだったので、そこはいつどこで出ても変わらないです。
■#88 赤穂ひまわり選手
厳しい時間帯もありましたが、ホーバスヘッドコーチからはずっと「日本は後半に走り勝つように、足を止めないでプレーしていこう」と言われてました。本当にその通りになり、この試合の最後に勝ち切れて良かったです。ベルギーはいつも速いバスケをしてきますが、トランジションバスケで日本が負けられないという気持ちもありました。
今日も途中は良かったですが、ダメになる時間が必ずあります。その時間帯の反省点をしっかり突き詰めて、40分間日本のバスケットをやり続けることができれば、必ず勝ちは見えてくると思っています。あと2試合、そこをしっかり徹底して勝ち切りたいです。
■#20 東藤なな子選手
ベルギーは判断が早いチームです。自分の役割はディフェンスなので、コートに出たら先手を取ってやろうと思っていました。最初にプレッシャーをかけることはできましたが、その後に相手の判断の早さについていけない部分もあったので、そこはこれからの反省点です。
第3クォーターに10点くらい離されて、そこからどんな結果になるかは誰にも分からなかったです。でも、そのときにこそ、自分たちを信じて目の前のボールを追いかけるだけだと思っていました。コートに出ている先輩方はその通りのプレーをしていたので、集中力を継続することの大事さを見ていて学びました。
次の準決勝に勝って、もう一回勝てば金メダルなので、もう一度集中力を切らさずに、また日本のバスケを世界のスタンダードにできるようにがんばりたいです。