1週間の直前強化合宿を終えた女子U19日本代表は、8月7日 (土) よりハンガリーにて開幕する「FIBA U19 女子バスケットボールワールドカップ2021」 へ向け、ハンガリーへ出発。16チームで争われ、予選ラウンドではマリ、カナダ、チェコと対戦し、メダル獲得を目指します。

コロナ禍により各大陸予選ができず、ほとんどのメンバーにとってはこれが初の国際大会出場となります。また、海外遠征はもとより、練習試合も実施できないまま本番を迎えます。その対策として男子選手のビッグマンにご協力いただき、「世界の高さや当たりの強さをイメージさせ、はじめてとなる国際大会へ向けて少しでも驚いたり、怯まないような準備をしました」と藪内夏美ヘッドコーチはできることを模索してきました。

東京2020オリンピックを戦う女子日本代表で強化してきたことを共有する藪内夏美ヘッドコーチ

7月初旬に行われた強化合宿で12名を選考し、そして出国1週間前に招集され、選手たちにとっては何も分からないまま本番を迎えることになります。その不安は少しでも払拭させるためにも、「しっかりと覚悟を持って、どういう気持ちで臨み、どんな準備をすれば良いかを考えて大会に臨もう」と藪内ヘッドコーチは選手たちに伝え、心も整えさせて準備します。

　はじめての国際大会に挑む林真帆選手（東京医療保健大学2年）は、「世界の相手と比較し、自分たちの方がサイズが小さい分、リバウンドは全員で徹底し、そこから走ってバスケットをすることを大切にしていきたいです」と述べます。まさに、現在行われている東京2020オリンピックで、女子日本代表が見せるスタイルを妹分の女子U19日本代表もしっかり継承していました。

オリンピック直前まで、藪内ヘッドコーチも女子日本代表スタッフとして強化に携わってきたからこそ、「練習内容や（トム）ホーバスヘッドコーチが求めていたことを、このチームにも共有できています」。世界の大きな相手に対して、「身体を当てるコンタクトプレーやペイントアタックすることが重要であり、シュートの正確性も必要になります」というのが女子日本代表でも徹底してきたことであり、その成果をオリンピックの舞台でも発揮しています。実際に、選手とともにその試合を見ており、「練習してきた内容を、そのままオリンピックで表現するプレーを見て、女子U19日本代表選手たちも感じるものがあったと思います。男子日本代表の試合も見ており、女子U19ワールドカップでも同じように体格の違う相手と対戦するという心の準備はできつつあります」とイメージさせます。

男子ビッグマンに協力していただき、国際試合の経験不足を補って準備


林選手は、「日本の強みであるディフェンスからブレイクを出すこと」を意識して取り組んできました。オリンピックで戦う先輩方の姿を見て、「サイズは小さいですが、ブレイクや精度が高い3ポイントシュートで対抗できており、どのプレーを見てもお手本となる存在です」と学ぶことは多くあります。3ポイントシュートは林選手の武器でもあり、「世界を相手にどこまで通用するかを試したいです。走ることも好きなので、女子日本代表の林咲希選手みたいに走って、3ポイントシュートを決めていきたいです」と良い刺激を受けていました。

このチームのキャプテンは林選手です。「どういう状況でもチームを引っ張って、バスケットを楽しんでプレーできるようにし、メダルを持ち帰る目標を達成できるようにしたいです」と抱負を語り、旅立ちました。

8月4日(水)17:20より、女子日本代表はオリンピック準々決勝でベルギーと対戦します。この試合を終えた頃に女子U19日本代表チームは現地に到着するため、移動する機内で勝利を祈ります。最後に、女子日本代表合宿でともに練習してきた藪内ヘッドコーチにオリンピックで戦う女子日本代表の印象を伺いましたのでご紹介します。

「春から一緒に練習をしてきた選手たちが、あの大きな舞台で思いっきりプレーできているのを見てうれしく思います。本当に厳しい練習だったのは間違いありません。でも、その厳しさを乗り越えてきたからこそ、今、世界の強豪を相手に答え合わせができ、良い結果が出せているわけです。最高の結果を出せるように応援しています。シューターの宮澤（夕貴）選手と林選手は、合宿期間中はケガ明けでなかなか調子が上がりませんでした。でも、本番で彼女たちが活躍していることで、日本代表全体にすごく勢いがついています。それは見ていてすごくうれしいです」

■予選ラウンド 試合スケジュール
8月7日(土) 21:00 日本 vs カナダ
8月8日(日) 18:30 日本 vs マリ
8月10日(火) 21:30 日本 vs チェコ