【3×3/第4日(7/27)】大会レポート:男女ともに準々決勝で惜敗。男子6位、女子5位で大会を終える
【女子】
<第4日 予選ラウンド試合結果>
第7戦:日本 ● 20 – 18 〇 アメリカ
※3×3 女子日本代表 予選ラウンド通算戦績:5勝2敗(予選4位通過で準々決勝進出)
<決勝トーナメント>
準々決勝:日本 〇 14 – 16 ● フランス
最終戦で王国・アメリカを撃破も、準々決勝・フランスとの再戦に敗れ5位
昨日、早々に準々決勝進出を決め、準々決勝を飛び越えての準決勝進出を目論む女子代表。今日の予選ラウンド最終戦は、昨日まで6戦全勝、4選手すべてがWNBAに所属するという王国・アメリカとの対戦です。
先制された日本。その差は徐々に開きます。開始2分で0-5。夜の準々決勝に出場する場合に備えた体力温存策が脳裏をよぎったファンの方もいるかもしれません。しかし、選手たちはそんな弱気な姿を微塵も見せず、日本の4選手はアメリアを相手に躍動しました。
#11 篠崎のレイアップで初得点すると、#23 山本の2ポイント、#3 馬瓜のレイアップなどで追い上げ、5-6と追いつきます。ただ決してリードは許してもらえず、残り3分半には、9-14と再び5点差に。それでも諦めることなく厳しいディフェンスで相手の攻撃を凌ぎ得点を止めると、ファウルで得たフリースローでつなぎなら、再び追い上げを開始。残り2分にはついに16-15とこの試合初めてリードを奪います。一進一退の攻防が続きますが、選手たちは慌てず焦らず、先手先手をとってシーソーゲームを進め、残り31秒で20-18。アメリカを相手にノックアウト勝利まであと1点と迫りました。
結局ノックアウトには至りませんでしたが、そのまま粘り切りタイムアップ。見事なビッグトアップセット (番狂わせ) を演じて見せました。これこそが3×3の醍醐味です。結果的にROC、中国との直接対決の戦績によって予選4位となり、準々決勝へと進むことになりましたが、メダルへ向けて勢いづく勝利となりました。
決勝トーナメントに入り、準々決勝の相手は、予選ラウンドで過去の雪辱を果たし快勝したフランスとなりました。フランスはトップシードながら今大会予選5位と今一つ精彩を欠いており、もし予選ラウンド同様の戦いができれば、準決勝進出の可能性は大きく膨らみます。
ところが、やはり決勝トーナメントの一発勝負となると、予選とは話が別なのかもしれません。表情は硬く、選手たちからは緊張感がにじみ出ていました。試合が始まってもそれは変わらず、先制し1-0、2-1、3-1とリードを奪ってはいるものの、動きにいつものキレが見られません。日本がリズムに乗れない要因として特に大きかったのが、要所で決められた2ポイントシュートです。3-1から同点とされる2ポイント、3-4と逆転を許し食い下がりたいところで3-6に引き離されたツー、さらに残り3分半ほどとなって 5-10 から日本を引き離しにかかるツー。なかなか主導権を手繰り寄せることができません。それでも日本はディフェンスで必死に相手を追いかけ、オフェンスでも果敢に攻め続けて徐々に日本らしさを取り戻していきます。
5-12からの反撃開始です。日本が勝るスピードに活路を見出し、馬瓜、篠崎、山本らのアイソレーションからのドライブで連続加点。ディフェンスでも、フランスに15点目を、やはり2ポイントシュートで奪われた残り1分49秒からのディフェンスは目を見張るものでした。フランスにまともなシュートチャンスすら与えず、残り49秒には14-15と1点差にまで詰め寄ったのです。しかし、あと一歩のところで追いつき、追い越すことまではできず、残り4秒からやむなくファウルゲームへ。残り0秒、相手のフリースロー1投目がリングに吸い込まれて14-16。2本目を外した瞬間にタイムアップのブザーが鳴って、彼女たちの挑戦は幕を閉じました。
最終順位は5位。目標としたメダルには届かず、選手たちは悔しい思いをしているはずです。しかし、彼女たちの頑張りによって、新種目3×3の楽しさ、厳しさ、醍醐味を、きっと日本中の皆さんにお届けできたはずです。
【男子】
<第4日 予選ラウンド試合結果>
第7戦:日本 ● 21 – 16 〇 中国
※3×3 男子日本代表 予選ラウンド通算戦績:2勝5敗 (予選6位通過で準々決勝進出)
<決勝トーナメント>
準々決勝:日本 〇 18 – 21 ● ラトビア
三つ巴を抜けだし準々決勝進出。ラトビアに惜敗し 6 位で大会を終える
昨日を終えて暫定最下位の8位。予選最終戦の中国戦の前の試合で、ポーランドがベルギーに勝てば中国戦を待たずに終戦。ポーランドが敗れても、中国戦での勝利は絶対条件。さらにそのうえで、ポーランドのベルギー戦での得点を4点以上上回り、かつ中国にも2点差以上をつけなければ、これもまた終戦。男子代表が予選ラウンドを突破するには、そんな厳しい条件でした。しかし、千載一遇のチャンスが巡ってきます。ポーランドが14-16でベルギーに敗れたのです。
準々決勝進出を目指す細い糸はつながったままです。日本が18点以上をとり、中国と2点差以上で勝てば準々決勝進出が決まります。もちろん、選手たちもその条件は知っています。気合いに満ち溢れた、鬼の形相で中国戦に向かいます。チームリーダー格の #91 落合を筆頭に激しく身体を寄せて戦うディフェンスを実践し、また誰もが身体を張って躊躇なくリバウンドやルーズボールに飛び込んでいく日本。そんな戦う姿勢に序盤こそ中国にリードを奪われますが、日本は徐々に主導権を引き戻していきました。
10-10となった残りおよそ5分半。この試合の勝敗だけでなく、得点、そして点差も気になってくるところです。そんな状況で得たフリースロー2本を #23 保岡がきっちりと決めて12-10とすると、#33 ブラウンのシュートに保岡のツーが続き、いよいよオフェンスもエンジン全開です。さらに保岡が3連続得点を決めてスコアは18-13。この時点でポーランドの総得点を上回り、中国とも2点差以上をつけました。準決勝進出が現実のものとして見え始めています。
中国も2本のシュートを沈めて18-16と追いすがりますが、最後のとどめは #30 富永の仕事でした。ドライブで19-16とすると、続けざまに2ポイントシュートを決めて、中国をノックアウト。決勝トーナメント進出条件のすべてがクリアされ、日本は起死回生の準々決勝進出を果たしました。
一度は諦めかけた準々決勝の舞台に立った日本。相手は格上であり、予選ラウンドでも敗れたラトビアです。今日の午前中の試合で女子がアメリカを破ったように、アップセットが起こりやすいのも3×3の特徴であり、醍醐味。男子も女子に続く番狂わせを狙います。今の日本に恐れるものはなく、ただがむしゃらに勝利に向かっていくだけです。
ところが試合が始まると、出鼻をくじかれてしまいます。日本のファーストオフェンスを凌いだラトビアが先制すると、点差はみるみるうちに広がり、残り6分半で4-11の7点ビハインドに。それでも、予選ラウンドでもビハインドからの追い上げを見せてきた日本は諦めません。ここから怒涛の2ポイントラッシュを見せたのです。
まずは保岡が反撃の狼煙となるドライブを決めて5-11とすると、その後富永、富永、保岡、富永、そしてブラウンと、わずか1分ほどの間に5本のツーを沈めて一気に10得点をマーク。15-16とラトビアに迫りました。
しかしラトビアもさすが屈指の強豪国です。その勢いのままに崩れることはなく、冷静にペースを立て直していきます。18-20で迎えた残り3分45秒、ここまでに3本の2ポイントシュートを決めている富永が同点を狙う2ポイントを放ちますが、ボールはリングに弾かれ、リバウンドはラトビアに。ラトビアのドライブに対して日本は痛恨のファウルでフリースローを与えてしまい、ゲームセット。最終スコアは予選ラウンドと同じ 18‐21。男子もこの試合で大会を去ることとなりました。
確かに敗れたことは残念です。しかし、このラトビアをはじめ、世界の強豪国に対して一歩も引けを取らず、伍して戦えた今大会であったことも紛れもない事実です。次は2024年パリ大会。この経験がきっと3年後の日本代表に生かされるはずです。
<第4日 予選ラウンド試合結果>
第7戦:日本 ● 20 – 18 〇 アメリカ
※3×3 女子日本代表 予選ラウンド通算戦績:5勝2敗(予選4位通過で準々決勝進出)
<決勝トーナメント>
準々決勝:日本 〇 14 – 16 ● フランス
最終戦で王国・アメリカを撃破も、準々決勝・フランスとの再戦に敗れ5位
昨日、早々に準々決勝進出を決め、準々決勝を飛び越えての準決勝進出を目論む女子代表。今日の予選ラウンド最終戦は、昨日まで6戦全勝、4選手すべてがWNBAに所属するという王国・アメリカとの対戦です。
先制された日本。その差は徐々に開きます。開始2分で0-5。夜の準々決勝に出場する場合に備えた体力温存策が脳裏をよぎったファンの方もいるかもしれません。しかし、選手たちはそんな弱気な姿を微塵も見せず、日本の4選手はアメリアを相手に躍動しました。
#11 篠崎のレイアップで初得点すると、#23 山本の2ポイント、#3 馬瓜のレイアップなどで追い上げ、5-6と追いつきます。ただ決してリードは許してもらえず、残り3分半には、9-14と再び5点差に。それでも諦めることなく厳しいディフェンスで相手の攻撃を凌ぎ得点を止めると、ファウルで得たフリースローでつなぎなら、再び追い上げを開始。残り2分にはついに16-15とこの試合初めてリードを奪います。一進一退の攻防が続きますが、選手たちは慌てず焦らず、先手先手をとってシーソーゲームを進め、残り31秒で20-18。アメリカを相手にノックアウト勝利まであと1点と迫りました。
結局ノックアウトには至りませんでしたが、そのまま粘り切りタイムアップ。見事なビッグトアップセット (番狂わせ) を演じて見せました。これこそが3×3の醍醐味です。結果的にROC、中国との直接対決の戦績によって予選4位となり、準々決勝へと進むことになりましたが、メダルへ向けて勢いづく勝利となりました。
決勝トーナメントに入り、準々決勝の相手は、予選ラウンドで過去の雪辱を果たし快勝したフランスとなりました。フランスはトップシードながら今大会予選5位と今一つ精彩を欠いており、もし予選ラウンド同様の戦いができれば、準決勝進出の可能性は大きく膨らみます。
ところが、やはり決勝トーナメントの一発勝負となると、予選とは話が別なのかもしれません。表情は硬く、選手たちからは緊張感がにじみ出ていました。試合が始まってもそれは変わらず、先制し1-0、2-1、3-1とリードを奪ってはいるものの、動きにいつものキレが見られません。日本がリズムに乗れない要因として特に大きかったのが、要所で決められた2ポイントシュートです。3-1から同点とされる2ポイント、3-4と逆転を許し食い下がりたいところで3-6に引き離されたツー、さらに残り3分半ほどとなって 5-10 から日本を引き離しにかかるツー。なかなか主導権を手繰り寄せることができません。それでも日本はディフェンスで必死に相手を追いかけ、オフェンスでも果敢に攻め続けて徐々に日本らしさを取り戻していきます。
5-12からの反撃開始です。日本が勝るスピードに活路を見出し、馬瓜、篠崎、山本らのアイソレーションからのドライブで連続加点。ディフェンスでも、フランスに15点目を、やはり2ポイントシュートで奪われた残り1分49秒からのディフェンスは目を見張るものでした。フランスにまともなシュートチャンスすら与えず、残り49秒には14-15と1点差にまで詰め寄ったのです。しかし、あと一歩のところで追いつき、追い越すことまではできず、残り4秒からやむなくファウルゲームへ。残り0秒、相手のフリースロー1投目がリングに吸い込まれて14-16。2本目を外した瞬間にタイムアップのブザーが鳴って、彼女たちの挑戦は幕を閉じました。
最終順位は5位。目標としたメダルには届かず、選手たちは悔しい思いをしているはずです。しかし、彼女たちの頑張りによって、新種目3×3の楽しさ、厳しさ、醍醐味を、きっと日本中の皆さんにお届けできたはずです。
【男子】
<第4日 予選ラウンド試合結果>
第7戦:日本 ● 21 – 16 〇 中国
※3×3 男子日本代表 予選ラウンド通算戦績:2勝5敗 (予選6位通過で準々決勝進出)
<決勝トーナメント>
準々決勝:日本 〇 18 – 21 ● ラトビア
三つ巴を抜けだし準々決勝進出。ラトビアに惜敗し 6 位で大会を終える
昨日を終えて暫定最下位の8位。予選最終戦の中国戦の前の試合で、ポーランドがベルギーに勝てば中国戦を待たずに終戦。ポーランドが敗れても、中国戦での勝利は絶対条件。さらにそのうえで、ポーランドのベルギー戦での得点を4点以上上回り、かつ中国にも2点差以上をつけなければ、これもまた終戦。男子代表が予選ラウンドを突破するには、そんな厳しい条件でした。しかし、千載一遇のチャンスが巡ってきます。ポーランドが14-16でベルギーに敗れたのです。
準々決勝進出を目指す細い糸はつながったままです。日本が18点以上をとり、中国と2点差以上で勝てば準々決勝進出が決まります。もちろん、選手たちもその条件は知っています。気合いに満ち溢れた、鬼の形相で中国戦に向かいます。チームリーダー格の #91 落合を筆頭に激しく身体を寄せて戦うディフェンスを実践し、また誰もが身体を張って躊躇なくリバウンドやルーズボールに飛び込んでいく日本。そんな戦う姿勢に序盤こそ中国にリードを奪われますが、日本は徐々に主導権を引き戻していきました。
10-10となった残りおよそ5分半。この試合の勝敗だけでなく、得点、そして点差も気になってくるところです。そんな状況で得たフリースロー2本を #23 保岡がきっちりと決めて12-10とすると、#33 ブラウンのシュートに保岡のツーが続き、いよいよオフェンスもエンジン全開です。さらに保岡が3連続得点を決めてスコアは18-13。この時点でポーランドの総得点を上回り、中国とも2点差以上をつけました。準決勝進出が現実のものとして見え始めています。
中国も2本のシュートを沈めて18-16と追いすがりますが、最後のとどめは #30 富永の仕事でした。ドライブで19-16とすると、続けざまに2ポイントシュートを決めて、中国をノックアウト。決勝トーナメント進出条件のすべてがクリアされ、日本は起死回生の準々決勝進出を果たしました。
一度は諦めかけた準々決勝の舞台に立った日本。相手は格上であり、予選ラウンドでも敗れたラトビアです。今日の午前中の試合で女子がアメリカを破ったように、アップセットが起こりやすいのも3×3の特徴であり、醍醐味。男子も女子に続く番狂わせを狙います。今の日本に恐れるものはなく、ただがむしゃらに勝利に向かっていくだけです。
ところが試合が始まると、出鼻をくじかれてしまいます。日本のファーストオフェンスを凌いだラトビアが先制すると、点差はみるみるうちに広がり、残り6分半で4-11の7点ビハインドに。それでも、予選ラウンドでもビハインドからの追い上げを見せてきた日本は諦めません。ここから怒涛の2ポイントラッシュを見せたのです。
まずは保岡が反撃の狼煙となるドライブを決めて5-11とすると、その後富永、富永、保岡、富永、そしてブラウンと、わずか1分ほどの間に5本のツーを沈めて一気に10得点をマーク。15-16とラトビアに迫りました。
しかしラトビアもさすが屈指の強豪国です。その勢いのままに崩れることはなく、冷静にペースを立て直していきます。18-20で迎えた残り3分45秒、ここまでに3本の2ポイントシュートを決めている富永が同点を狙う2ポイントを放ちますが、ボールはリングに弾かれ、リバウンドはラトビアに。ラトビアのドライブに対して日本は痛恨のファウルでフリースローを与えてしまい、ゲームセット。最終スコアは予選ラウンドと同じ 18‐21。男子もこの試合で大会を去ることとなりました。
確かに敗れたことは残念です。しかし、このラトビアをはじめ、世界の強豪国に対して一歩も引けを取らず、伍して戦えた今大会であったことも紛れもない事実です。次は2024年パリ大会。この経験がきっと3年後の日本代表に生かされるはずです。