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【5人制男子 / 予選ラウンド第1戦 大会レポート】日本77-88スペイン:世界一を相手に追いつけなかった点差、15年を経て縮めた力の差
白熱する3×3に続き、7月25日より5人制バスケットボール競技がスタートしました。AKATSUKI FIVE 男子日本代表の東京2020オリンピック初戦は、スペインと対戦。2019年FIBAワールドカップチャンピオンを相手に最大24点差をつけられながらも、意地を見せます。77-88で敗れましたが、最後まで粘りを見せ、11点差まで追い上げたことがこれまでとの違いです。2006年に日本で開催されたFIBA世界選手権(現ワールドカップ)では55-104、49点の大差で敗れています。それ以来となるスペイン戦は最後まで見応えがあり、15年を経て成長が感じられる試合となりました。

はじめての大舞台に立つ選手たちであり、モントリオール大会以来45年ぶりとなる記念すべき初得点を挙げたのは、#24田中大貴選手。しかし、それまでの3分間でスペインには7点を許し、追いかける展開となります。その後、交代で入った#2富樫勇樹選手や#6比江島誠選手、#32シェーファー アヴィ幸樹選手らの積極的なプレーで巻き返していきます。第2クォーター開始4分25秒、26-26と同点に追いつきました。しかし、その後の5分間で17点連続失点を許し、前半終了時点で28-48と20点差にされます。その起点となったのが、#9 リッキー・ルビオ選手でした。「簡単にやられすぎました。同点に追いついてからは彼に気持ち良くプレーさせてしまい、完全に僕の責任です」と言うのは、マッチアップした渡邊雄太選手です。



渡邊選手だけではなく、ポイントガードとしてマッチアップする機会のあった田中大貴選手も、「ルビオ選手が起点となってどんどんプレーを作ってきました。要所で試合を締めていたのも彼だったので、自由にやらせすぎました」と悔やみます。

敗れた事実は変わりませんが、後半の得点だけを抜き出せば49-40と巻き返すことができました。第3クォーター残り3分46秒、42-66と最大となる24点差をつけられた時点で、ルビオ選手はベンチに下がります。「その時間帯こそ、自分たちのリズムにしていかなければいけないと思ってプレーしていました」と渡邊選手はギアを入れ直し、反撃がはじまります。同時に交代で入った#14 金丸晃輔選手は、「オリンピックのようなレベルでは、ノーマークで打てるシチュエーションはまずありません。マークがいても打ち切る意識でプレーしていました。その強い意志があったからこそ、シュートを打てたと思います」という言葉通りの活躍を見せます。はじめてオリンピックのコートに立ってから1分16秒の間に、3ポイントシュート2本とフリースローも2本決め、いきなり8点を挙げて反撃開始。

第4クォーター残り4分32秒、66-77に日本が詰めたとき、ルビオ選手がコートに戻ります。すぐさま得点に絡んで引き離されましたが、渡邊選手と八村塁選手の連続3ポイントシュートで対抗し、最後にルビオ選手がいた時間帯は11-11と互角との戦いができました。

「もちろんまだまだ反省点もいっぱいありますが、第2クォーターの終わりが悪かっただけであり、試合全体通しては手応えを感じた部分もたくさんありました」という試合展開だったからこそ、「悔しい負けでした」と渡邊選手は強調します。世界一のスペインであり、「このような強いチームに勝つためには、よりパーフェクトなゲームを自分たちがしなければチャンスは巡ってこないです。前半の終わり方の部分では自分の責任もあるので、そこは悔やまれますし、そのような場面を相手は見逃してくれませんでした」と田中選手は力の差も痛感しました。同時に、「でも、それ以外を見ると確実にワールドカップの時よりも世界の強豪相手に戦えているとみんなが感じています」とプラスに捉えます。

「35分を通して戦うことはできていましたが、第2クォーター残り5分でリズムを崩してしまったことが残念でした」という馬場選手の言葉が、この試合を物語っていました。「それでも、後半にしっかり取り戻すことができ、それは今まではできなかった部分でもあります。巻き返すことができる力があるという確信を持てましたし、この負けを次に生かしていきたいです」と気持ちを切り替え、歴史的1勝へ向けた試合は続きます。



同じく予選グループCのアルゼンチンvsスロベニア戦は、118-110でFIBAオリンピック世界最終予選を勝ち抜いたスロベニアが勢いそのままに勝利しました。NBAの若きスーパースターであるルカ・ドンチッチ選手が、オリンピック歴代2番目(最高得点は55点:1988年Oscar Schmidt選手/ブラジル)となる48点を挙げ、華々しいデビューを飾っています。

選手たちはその試合をすでに見ており、「彼を止めるか否かで自分たちの結果も変わってきます。そこに関しては、責任を持ってディフェンスしていきたいです。世界のトップ選手であり、自分にとってのものさしにもなるので、そこを意識しながらチームのために戦っていきます」と馬場選手は目を輝かせました。渡邊選手もマッチアップに意欲を見せてはいますが、「スーパースターのドンチッチ選手をいかに止めるかにフォーカスされてしまいますが、それ以上に大切なことがあります」と足元を見つめ直します。

「世界でも素晴らしい選手であり、得点はもちろん、アシストもリバウンドも必ず取ってきます。その中において、彼だけに惑わされることなく、自分たちのバスケットを40分間貫き通すことができれば絶対に勝つチャンスがあると思っています。スペイン戦も第2クォーターの終わり方が悪かっただけで、戦えていた時間帯はかなりありました。とにかく自分たちのバスケットに集中し、日本らしさを出すことができれば必ず勝つチャンスはあります」

次戦の日本vsスロベニアは、7月29日(木)13:40よりティップオフ。