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男子U19日本代表:FIBA U19 ワールドカップ直前合宿活動報告「目標は3ポイントシュートをたくさん決めること」木林 優選手
7月3日より開幕する「FIBA U19バスケットボール ワールドカップ2021(以下U19ワールドカップ)」へ向け、男子U19日本代表は6月21日(月)から28日(月)の期間に第3次強化合宿を実施。コロナ禍であり、安全に大会へ出場するための検査を受けなければならず、不足の事態を想定し、直前合宿ではありますが15名を招集しました。選手たちにとっては、12名のメンバー入りを懸けたラストチャンスであり、練習の強度も上がります。

U19ワールドカップの予選ラウンドではセネガル(FIBA BOYS ランキング 38位)、カナダ(同2位)、リトアニア(同5位)の順で対戦します(日本27位)。コロナ禍の影響により、今大会へ向けた各大陸予選が行われず、全くスカウティングができないまま本戦へ臨むことになります。初戦の相手となるセネガルだけは少し前の映像を入手し、対策を練りながら準備しています。佐古賢一ヘッドコーチは「バスケ自体は大味な部分もありますが、やはりスピードも高さもあるので、少しでもディフェンスで気を抜けば、全部インサイドに押し込まれて失点されてしまいます。とにかくコンタクトし、相手に攻めるエリアを与えないようなディフェンスをし、そこから速い切り返しでオフェンスにつなげていけるようにしたいです」という印象を持っています。

これまで中止が相次いだことで、佐古ヘッドコーチや選手たちにとっては、はじめてのFIBA主催大会に臨みます。しかし、2年前から準備をはじめていた当時のU16世代、現在の高校3年生と早生まれの大学1年生は2年連続チェコ遠征を経験しています。そこで行われたクリスタル・ボヘミアカップでは対戦相手の情報がないまま出場し、毎試合対応しながら勝ち上がり、2連覇を果たしました。

そのときのキャプテンだった金近 廉選手(東海大学1年)は、「スタッフの方々が、試合後にフィードバックしてくれたおかげでうまくいった部分が大きいです」と振り返ります。大学生となった今は、「いろいろと学んだことをコートの中でもチームメイトに伝え、改善していく意識は持っています。1試合1試合ステップアップできるようにしたいです」と抱負を語り、チェコ遠征の経験を今大会に生かしていきます。クリスタル・ボヘミアカップで優勝した要因として、「自分たちのコンセプトを崩さずに遂行することだけは徹底させていました」と佐古ヘッドコーチは言い、今合宿中もベースとなる部分を反復して練習を行っていました。


金近 廉選手のダンクシュート



佐古ヘッドコーチがアンダーカテゴリーを統括し、強化がはじまったのは2018年11月の男子U18日本代表を選考するエントリーキャンプからです。そのときに選出されていたのが、高校2年生だった木林 優選手(筑波大学2年)。201cmの木林選手は積極的にポジションアップにチャレンジし、今回は外角からのシュートを期待されています。「どんどん3ポイントシュートを狙っていくことと、ドライブからのキックアウトパスの練習をしてきました」とプレーの幅を広げ、アピールを続けます。

積極的に3ポイントシュートを狙う木林 優選手


U19ワールドカップでの対戦チームを見た木林選手は、「リバウンドが一番大事」と考えています。ディフェンスを徹底し、「リバウンドを取ることができれば、自分たちのペースになるとも思っています。逆に、そこを取られてしまえば、負けてしまうのでリバウンドが重要になります」と、課題は明確です。オフェンスでは自信を持っており、「3ポイントシュートをたくさん決めること」を個人目標に掲げていました。

15名から12名に選考し、開催地であるラトビアへ出発します。チームとしての目標は、まず1勝を挙げること。2019年FIBA ワールドカップでの男子日本代表は全敗に終わり、佐古ヘッドコーチ自身も現役時代は幾度となく世界に挑戦し、「壁にぶち当たりました」と悔しい経験が多かったです。「現時点において、世界との差を縮めておかねばならない点は、トランジションの精度やスピード、ディフェンスのアグレッシブさです。運動量で負けてしまったら絶対に世界では勝てないことを、まずはこの世代に感じてもらわなければいけません」という経験をさせることが重要です。U19ワールドカップでは、毎試合後に大きな壁がそびえ立ち、それを乗り越える戦いが最大7試合続きます。「将来、選手たちが日本代表に選ばれたときに、チャレンジしたことが必ず生きてくると信じています」という佐古ヘッドコーチは、これまで積み上げてきたコンセプトをベースとし、1勝をもぎとる挑戦がはじまります。