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3×3男子日本代表:第1次強化合宿 開催報告「この1年間で多くの経験と実績を積むことができた」齊藤洋介選手

 3×3男子日本代表は11月16日 (月) ~19日 (木) の期間、味の素ナショナルトレーニングセンター にて、2020年度第1次強化合宿を開催。前回合宿となる今年2月の時点では、ターゲット選手が10名にまで絞られていました。しかし「東京2020オリンピック競技大会」が1年延期となったことで16名の候補選手を招集し、ふたたび選考レースがはじまりました。

 初招集されたドンリー エリエット選手(大阪エヴェッサ)とマーフィー アイザイア選手(広島ドラゴンフライズ)は、3×3もこれがはじめてです。「ルールの違いに一番苦労しています。5人制とは全く違ったペースや特性があり、今までやってきたバスケとの違いを感じています」というマーフィー選手。ドンリー選手とともに、短い期間ながら日増しに順応していきます。開催延期によってチャンスが巡ってきたことに対し、「もちろんオリンピックには出たいです。3×3ならばその可能性があると思いましたし、良いタイミングで呼ばれました」とマーフィー選手は話し、持ち前のドライブを生かしながら新たな目標へ向かっています。


 東京オリンピックへ出場するためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。まずは、個人にポイントが付与される試合へ出場し、最低5,400ポイント(※女子は3600ポイント)を獲得しなければなりません。マーフィー選手とドンリー選手は、この最初のハードルをクリアするところからはじまります。さらにオリンピック代表の条件として、国内ランキング上位10名から2人以上の選出が決められています。トーステン・ロイブルディレクターコーチは「オリンピックへ向け、もう一度選手たちの実力を判断するとともに公平さを保つためのオープンレースであり、トップ10選手を招集しました」というのが、16名に増えた要因です。

 現在国内ランキング3位の齊藤洋介選手 (UTSUNOMIYA BREX.EXE)、同4位の鈴木慶太選手(TOKYO DIME.EXE)ら3×3に特化した選手たちにとっても、ふたたびチャンスが巡ってきました。齊藤選手が所属するUTSUNOMIYA BREX.EXEは、昨シーズンのチーム別FIBAランキングは世界18位で国内トップ。数々の国際試合へ出場し、「この1年間で多くの経験と実績を積むことができ、Bリーグの選手たちには得られないものを得ることができました」と自信を持ち、さらに成長した姿を見せています。

 「日本代表が世界と戦うときに何が必要か」を常に考えている齊藤選手はその経験を武器とし、さらに他の選手たちにも惜しみなく共有してくれています。「国内大会ではミスマッチを攻めることも多いですが、国際大会ではミスマッチにはなりません。少ない機会の戦い方を重視するよりも、日本の武器であるスピードなどを生かしながら常に全員で動く意識が必要です」とアドバイスを送ります。特にゴールを決められてリバウンドを獲った後、自分たちのオフェンスへ向かうために半円の2Pシュートラインの外側に出なければならない「アウトレットパスをいかに早く出せるか」を重要視していました。


 齊藤選手のアドバイスに対し、松脇圭志選手(富山グラウジーズ・HACHINOHE DIME.EXE)は「洋介さんが伝えてくれたことを、僕らが表現した結果、勝ちにつながったこともありました」。藤高宗一郎選手(バンビシャス奈良・OSAKA DIME.EXE)も「洋介さんからスペーシングやパスを早く回して、いかに簡単に得点ができるかという点を学ぶことができました」と吸収し、チーム一丸となってレベルアップに努めています。

 少しずつ国際大会が行われはじめた3×3ですが、シーズン中のBリーグ選手たちはなかなか出場できず、思うようにポイントを加算できないのが現状です。また、現在は5人制と同じ環境である屋内で強化が進められていますが、実際にはコートも違い、屋外で試合は行われ、トップ10選手たちはその点では有利と言えます。3×3経験の浅い選手たちがどこまで順応できるかは未知数であり、今後の代表争いはさらに激しくなっていきます。