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3×3女子日本代表:2020年度第1次強化合宿 開催報告「全員に平等なチャンスがある」中田珠未選手

 来年5月26日よりオーストリアにて開催予定の「FIBA 3×3バスケットボール オリンピック選考会 (OQT /東京2020オリンピック予選 )に向け、3×3女子日本代表チームは2020年11月5日 (木) ~11日 (水) の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、第1次強化合宿を実施しました。

 コロナ禍によりOQTも東京オリンピックも1年延期となったため、約8ヶ月ぶりに招集された選手たち。Wリーグのシーズンが開幕したことで5人制に専念してきたこともあり、「3×3のリズムを取り戻すのに時間を要し、合宿初日は不安が先立ちました」とトーステン・ロイブル ディレクターコーチは吐露します。経験ある篠崎澪選手(富士通レッドウェーブ)でも、「忘れてしまっている部分があり、慣れるまでに時間がかかりました。徐々に以前の感覚を取り戻していきました」と難しさがあったようです。

 1年延期となったことで計画が見直され、新たに6人の候補選手を迎えました。新戦力はルールを覚えるところからはじまりましたが、「3日目にはようやく3×3のリズムを理解し、そこから練習のクォリティーが上がっていきました」とロイブルコーチも満足のいく合宿となりました。馬瓜ステファニー選手(トヨタ自動車アンテロープス)は「新しい選手は恐れることなく、ディフェンスでは積極的に駆け引きに出ることができていました。自分たちはいろいろ考えて止まってしまうこともあるので、逆に良いことだと気付かされました」と刺激を受けています。


 昨年5月以来、1年半ぶりに3×3合宿に招集された中田珠未選手(ENEOSサンフラワーズ)は、「同じバスケだけど全く違う新しい競技をはじめた感じです。楽しさもありますが、今は難しい思いの方が強いです」と率直な感想を述べました。先般発表された5人制女子日本代表候補にも、中田選手と永田萌絵選手(トヨタ自動車アンテロープス)は名を連ねています。「5人制に重きを置いていますが、ベテラン選手がいる中でどれだけ食い込めるかと考えたときに難しいところがあります。3×3を専任で競技してる候補選手はいない分、全員に平等なチャンスがあるとも思っています」と中田選手は3×3合宿を選択しました。しかし、「両方ともチャンスがあるので、どちらかに決めることなくチャレンジしていきたいです」とも話しており、それは永田選手も同じです。

 これまで3×3女子日本代表として活躍した内野智香英選手(富士通レッドウェーブ)と三好南穂選手(トヨタ自動車アンテロープス)は、今回は5人制の合宿に参加しています。「JBAの傘下に3×3と5人制があります。女子日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチとともに、選手にとってどちらの競技を選択した方が良いかという話し合いは常に行っています。今回も同時期に合宿を行っていたこともあり、お互いの両方を見て評価しています。協力しながら選手の可能性を見出し、より良い選手選考を行っていきます」とロイブルコーチは話すとおり、日本の女子バスケットボール界としてどちらも最強チームを作ることを念頭に置いています。

 来年のOQTに出場し、自らの手でオリンピックへの出場権を掴み取らねばならない3×3女子日本代表は再始動を果たし、今後は継続的な強化を進めていきます。