COLUMN

~宮地陽子のGO FOR 2020~海外日本代表候補選手奮闘記
富永啓生「ひとつの出会いで運命が変わることがある」


 ひとつの出会いで運命が変わることがある。

 今から3年余前、2017年11月、当時桜丘高校2年だった富永啓生は、東海ブロックからの推薦でU18日本代表キャンプに参加した。

「それまでは代表なんて行ったこともなくて。中学のときには県選抜にも入っていないような選手だったんで、その時が何かを代表する最初のときでした」と富永。

 父は身長211cmの元日本代表ビッグマンで、母も元実業団でプレーしたシューターとバスケ選手の血筋を引き、子どものころからバスケットボールに熱中していた富永だったが、高校までは身長が伸びず、あまり注目されていなかったのだ。



 この時点でもあくまで候補選手約40人の1人にすぎなかった。それでも、当時の富永にとってはそれだけでも大きな出来事だったのだが、このキャンプが終わった後にはさらに驚くことが待っていた。当時U16代表とU18代表のヘッドコーチを務めていたトーステン・ロイブル(現3x3 バスケットボール男女日本代表ディレクターコーチ)が富永のプレーを見て一目ぼれ。大会開催が遅れていたU16代表の対象年齢だったということもあって、U18代表合宿の直後に急きょ、U16代表に抜擢したのだ。このときのU16代表はすでに合宿を何度も重ねてチームのケミストリーを高める段階に入っていた。コーチによっては新しい選手を加えることはしなかったかもしれない。しかしロイブルは、「ダイヤモンドを見つけた」と富永を高く評価し、チームに加えた。

 それが、富永の運命を変えた。
・・・
このコラムの続きはAKATSUKI JAPAN plus+会員のみご覧になれます。
まだ会員登録がお済でない方はご登録の上ご利用ください。

ログイン

ファンクラブ入会はこちら!