COLUMN

~宮地陽子のGO FOR 2020~海外日本代表候補選手奮闘記
「自分よりチームを優先する。間違いなくすばらしいリーダーとなれる選手だ」

 八村塁のNBA公式戦初得点は、ブラッドリー・ビールからのアシストを受けてのシュートだった。
「ブラッド(ビール)がいいパスをしてくれたので」と八村はチームメイトに感謝した。

 ビールは26歳、NBAに入って8シーズン目の中堅選手で、オールスターにも2回選ばれているウィザーズのエースだ。ポイントガードでリーダーだったジョン・ウォールが昨季の途中にアキレス腱を断裂して未だに欠場していることもあって、今季はビールがチームのリーダーとして、行動と言葉の両方で若いチームメイトたちを引っ張っている。


 たとえばこの開幕戦でも、ビールがチームメイトたちに示した手本があった。ハーフタイム前からダラス・マーベリックスに引き離され、3Qが終わる頃には23点のリードを取られていた。中でもマブズの2年目、20歳のガード、ルカ・ドンチッチに好き放題やられ、第3Qまでに32点を取られていた。ほとんど抵抗することなく点差を引き離されていくのを見かねたビールは、第4クォーターが始まると自らドンチッチのディフェンスを買って出たのだ。そして、対抗心むきだしの激しいディフェンスでマークし、ドンチッチを抑え込んだ。そのやり取りがあまりに激しく、テクニカルファウルで退場になってしまったほどだった。


 退場になったことはビール自身も「もう少し冷静にならなくてはいけなかった」と反省したが、シーズン初戦だからこそ、闘争心を見せることで、プライドをもって戦う気持ちを忘れてはいけないということを、若いチームメイトたちに見せたかったのだ。

 NBA選手になりたての八村も、それを見て感じたところがあったようだ。
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