COLUMN

~宮地陽子のGO FOR 2020~海外日本代表候補選手奮闘記
「今ある現状と、未来の輝き」
 11月7日、馬場雄大は24歳の誕生日をアメリカで迎えた。新天地として選んだGリーグの開幕戦前夜という、絶妙なタイミングだった。

「(本拠地の)ダラスでもなく、日本でもなく、(遠征先の)メンフィスで迎えるという…。ちょっと寂しい気持ちはあったんですけれど、これも人生。経験したもの勝ちなので、いつも楽しんでいきたいなとは思っています」

 どんな苦労も楽しむという前向きな馬場らしいコメントだ。

 もっとも、実際の誕生日は思っていたより賑やかな時間になった。馬場が所属するテキサス・レジェンズの開幕戦の対戦相手が、渡邊雄太が所属するメンフィス・ハッスルだったからだ。しかも、日本代表選手2人の対戦を視察するために、代表ヘッドコーチのフリオ・ラマス、アシスタントコーチのエルマン・マンドーレ、技術委員長の東野智弥が揃ってメンフィスを訪れていた。メンフィスに住む渡邊が予約した日本食レストランで食事し、最後には、馬場のために用意したケーキも出てきた。


「先輩らしいことをしてくれるじゃないかって…。嬉しかったです」と、馬場も頬を緩ませた。

「異国の地で、右も左もわからない中で(誕生日を)迎えましたけれど、こうして渡邊選手だったり、見に来てくれるヘッドコーチだったりもいて、本当に改めて、まわりに恵まれているなとも思いましたし、応援されているな、期待されているなとも思いました」

 思えば、人生の岐路に立つ今の馬場にとって重要な人たちとの集いだった。来年7月に行われる東京オリンピックを共に戦うコーチと仲間。そして、その舞台に向けて自分の実力に磨きをかけるために選んだ新天地を知る先輩で、同じ世界を目指している同志の渡邊。

 現在、Gリーグとの契約選手という立場の馬場にとって、すでにNBAメンフィス・グリズリーズとの2ウェイ契約選手としてGリーグの開幕を迎える渡邊は、一歩先を行っている存在だった。実際、翌日の開幕戦では、現在の2人の立ち位置の差ははっきりと表れた。
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