COLUMN

~宮地陽子のGO FOR 2020~海外日本代表候補選手奮闘記
比江島慎、サマーリーグ不完全燃焼も「これをプラスにしないと」

 比江島慎にとって、この1年はチャレンジの年だった。去年8月にオーストラリアNBLのブリスベン・ブレッツに移籍。今夏のFIBAワールドカップ、そして来年夏の東京オリンピックを前に、世界で戦う自信をつけたいというのが、海を渡っての移籍を決意した最大の理由だった。アジア諸国相手には自分の力がそれなりに通用する手ごたえはあったものの、世界を相手に戦うためには、もっと成長する必要があると感じてのことだった。
 今回、NBAサマーリーグに挑んだのも同じ理由だった。ダラス・マーベリックスとニューオリンズ・ペリカンズのトライアウトを受け、結局、ペリカンズからサマーリーグに出られることになった。

「自分がどれだけ通用するかというのを試したかった。ワールドカップ前に、こういったレベルの高い選手たちとやるっていうのが自分の中で目標だったので」と比江島はサマーリーグ出場の意図を語った。さらに、「出るからにはNBAに繋がる道を作らなくてはいけないというのは自分の中で思っていたので、そういったところもしっかり意識してやってはいた」とも言っていた。

 比江島が加入したペリカンズのサマーリーグ・チームは、今年のNBAドラフト1巡目1位指名のザイオン・ウィリアムソンがいる注目のチームだった。特に初日のペリカンズ対ニックスは今サマーリーグ一番の注目カード。人気選手のウィリアムソンが、ドラフト3位指名でデューク大のチームメイト、RJ・バレットが所属するニックスと対戦するということで、この試合目当てに何日も前からチケットが売り切れ、1万8000人近く収容するトーマス&マック・センターの席は早々に埋まり、試合開始前から特別な空気で満ち溢れていた。


 そんな中で、比江島には3Q終盤に2分余りの出場機会を得た。しかし、ほとんどボールを触ることもなく、シュートも打てないうちに出番は終わってしまった。試合後、比江島は緊張して消極的になってしまったことを悔いた。日本代表で数々の大舞台を経験してきた比江島だが、NBAサマーリーグの独特の雰囲気にのまれてしまったのだという。

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